雁字搦めで歓喜する「ウフフ……なかなか上手じゃない」
「っ、くっ……そりゃ、どうもっ……」
及第点をもらったショットは、ホッと息を吐いて安堵した。全身のそれも全裸に縄を食い込ませた姿は自らの手で縛っている。シーニャの弟子には必須の技術だと聞いたが、ショットは嘘だと思っている。そもそも退治人であって、吸血鬼調教師ではないのだから。
「……シーニャ、流石にっ、これはっ……きっつ、んっ……」
強過ぎず、かと言って緩くもない力加減で締めた縄が皮膚に食い込み、うっすらと肌を赤く染めている。あまり動くと擦れて痛くなりそうだと思い、正座したまま俯いた。
「そうかしら? ちょうどいいじゃない。上手よ、亀甲縛り♡」
シーニャはほんのり頬を赤らめ、嬉しそうにショットの顎をグリップエンドで持ち上げた。黒々とした鞭が目の前にあり、ショットが青褪めているのに気づかないフリをして。
「あら、打たれたかった? アタシは別にいいわよ?」
「お断りだ。ってか、下も脱がなくていいだろ……」
顔を逸らしたョットは、屈んで下半身を隠そうとして床にうつ伏せになった。半勃ちになった己の愚息を隠すのに必死で、お尻が丸出しなことに気づいていない。愉快そうに笑うシーニャから熱の篭った視線を受け、ようやく自分の痴態に気づいて顔を赤らめる。
「……ジロジロ見るなよ……」
「今日はこのまましましょう♡うふふっ♡ショットの可愛いお尻をいっぱい愛でるわよ〜」
「ヒッ! 冷たっ!」
ギャップを開ける音がして、すぐに冷たいものが菊座に垂らされた。どうやら温める手間すら惜しいようだ。膝立ちでお尻を浮かせられ、性急な手つきで固く閉ざした蕾を抉じ開けられる。ギチギチと肉壁を押し拡げられて痛むはずが、熱を持った襞が指に絡み付き、誘うように指を引き込んでいる。浅ましくもいいところを拾おうと震える身体に自分でもはしたないと思い、下腹に力を入れて堪えた。
「あらあら……我慢しなくていいのよ? 可愛い声で鳴いてちょうだい♡」
「うっ、ぐ、んああっ!」
長くて綺麗な指をゆっくりと引き抜かれ、一気に根元まで挿入されて切なそうな声が喉から漏れた。ツヤツヤの爪先で柔らかい襞を引っ掛け、指を折り曲げてぷっくりと膨らんだしこりをトントンとノックされる。
「ん゙ひぃぃっ♡いきなりっ、ソコはぁっ♡」
「ご褒美だからいいじゃない♪ 指を増やしてあげるから、イッちゃいなさい」
「はひっ♡ごほうびっ、それっ、ダメッ♡♡いっ、イクぅぅゔっ♡♡♡」
ローションを足した指を増やされたショットはビクビクと痙攣し、上半身を縛る縄が軋んだ。縄で肌を擦られる摩擦ですら快感に置き換わり、二本の指で前立腺を押されて呆気なく絶頂してしまう。艶々になるほど磨いて深爪した長い指にナカを弄られ、シーニャの指だけで全身が歓喜している。触れてもいない屹立から白濁が迸り、上半身だけでなく頬にも飛沫を飛ばして手を瞑った。
「盛大にイったわね……すっかり柔らかくなったわね。いい子よ、ショット」
絶頂の余韻でフワフワした気分で見上げると、マスク越しにギラギラと獲物を狙う眼差しのシーニャと目が合った。
あっ……お腹がゾクゾクする。
「ありがとう、ございます……」
もはや習慣となった言葉が口をついて出てきても、すでに違和感などなくなっていた。身体が続きを求めていたが、じっと大人しくシーニャが良しと言うまで我慢する。
「いい子には、ご褒美奮発しちゃうわよ!」
ああ……いい子にしていて良かった!
身も心もシーニャに委ねたショットは、鈴口から透明な雫を垂らしながらこの後の行為を心待ちにしていた。