フリスクの生涯は100年の時を経て幕を閉じた。大往生だった。親善大使の仕事を行いニンゲンとモンスターの架け橋となった彼女は多くの人々から愛され、その死を悲しむ者も多かった。
そんな彼女が目を覚ますと、そこはまるで天国と言われるような爽やかな空間が広がっていた。私は死んだのだと、どこか冷静に彼女はそう理解した。ふと視線を感じ辺りを見渡すと、こちらに微笑みかけてくる老人がいた。初めて見たにも関わらず、彼女はその老人が神だということを直ちに理解した。
『フリスク、おいで』
老人は脳内に直接語りかけてくる。彼女は言われるがまま、ふらふらと老人の元へ歩いていった。老人は優しい笑みを浮かべたまま、寄ってきた彼女へ語りかける。
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