三咲(m593) Blender は飲み物GALLERIA https://galleria.emotionflow.com/18265/X(Twitter) https://x.com/mi_tsunoウェブサイト https://m593.web.fc2.com/ ☆quiet follow POIPOI 251
三咲(m593)☆quiet followMAIKINGガープ&ラフロイグ ##オレカバトル 居たと思えばいなくなり、居ないと思えばそこにいる。自由気ままな赤色は、大仰な裾をはためかせ前を行く。 ただ、少しは後ろを顧みてほしいと、ガープは常々思っている。暇と財を持て余す貴族ならともかく、彼は魔皇だ。一歩進むたびに起きる波紋の、その影響は計り知れない。 今日もまた私用を言いつけられ、予定がいくつか潰れてしまった。大したものではないと言われれば、反論は出来なかったのだが。 それにしても……と息を呑む。広がる麦の金色と、空の青が二分する視界。境界に立つ緑のロウソクを目印にしなければ、今どこに立っているのかも見失いそうになる。話には聞いていたが、この土地がすべて、彼のものだというから驚きだ。 佇んでいた赤色が振り返り、影が笑ったように見えた。「今年もよく実った。また良い酒が飲めそうだ」「……それで、私にどのようなご用命を」 麦の育成を見せるために、わざわざ連れ出したとは思えない。畑仕事でも言いつけられるのだろうか。そんなことを思っていると、黒いガントレットが閃き、グラスを掲げる形を取った。「貴様に酒の味を見てほしい」 この地の南端には、魔皇御用達の蒸留所がある。製造や管理はもちろん、信頼のおける職人に任せているが、希少な酒は出回る数も少ない。当然、口にする者も限られている。 ガープはその味を知っている数少ない一人だ。だからこそ、味が変わらないかを見ていてほしいという。「本来ならば我が見ていたのだが……なにせ肉体が無いからな」 火の国への侵攻のさなか、魔皇は討たれた。そういうことになっている。こうして意思疎通こそ出来ているが、状態としては、死んだと言って相違ないだろう。対外的にも都合が良いと、彼自身も現状を汲んでいる。 ただ一つ不都合があるとすれば、こういう時だ。肩をすくめた魔皇に、しかし、とガープは言い淀む。「私でよろしいのでしょうか?」 酒に関しては、好んでいるというほどではなく、専門的な知識があるわけでもない。そんな自分に、職人めいたことが出来るだろうか。「どうやるかは貴様に任せる。話は通しておいたからな」 魔皇には、はいとイエスしか通用しない。 将軍としての軍の運用、新しい主君の目付け役。あるいは彼は、難題を吹っ掛けるのを楽しんでいるのではないか。 また手の回らない日々になりそうだ。頭に浮かんだ予定に、端からため息の印をつけた。 すっかり息が上がってしまった。通された扉の先で、ゆらゆらと翼を畳みながら、ガープは深く頭を下げる。 忙しいととぼけていた魔皇も、ただ事ではない様子に、書類をめくる手を止めている。 何事かといぶかしむ、その顔も今はよく見える。長く差し込む日の、境界を滲ませる髪と肌。影ではなく実体がある。聞いた通りだとすれば、職人を急がせた甲斐があったというものだ。 ソファの前にひざを折り、ラベルのない酒瓶を差し出した。「今年の酒を、届けに参りました。……」「……は? そのためにすっ飛んできたのか? ハハ、貴様の冗談は、やはり一味違うな」 ちょうどいい、休憩していけ。言われるままに、キャビネットからテイスト用のグラスを用意する。 ソファは一式並んでいるが、普段は当然、部屋の主しか使わない。無意味にすら思える大きさは、腰掛けるたびに、その境遇を思わせた。自分に足りないものがあるとすれば、埋まらないこの空間だ。いつか、彼がそんなことを言っていたのを思い出す。 いつもの距離を象り、揃いのグラスを並べる。付かず離れずの間隔は、腰掛けた自分たちを思わせた。 掲げたグラスに、見上げる赤が滲む。数滴の水を加えた酒が、流れる髪の先に揺らぐ。聞き耳を立てるように、息をひそめている彼に、つられて呼吸を忘れていた。 ふっと吐かれた「悪くない」の一言に、肩の力がようやく抜けた。 彼のあとを追って、少しずつ酒を含む。なにも加えなかった酒は、舌先に触れた重さのまま、のどの先まで味覚を均す。 胸元に熱が走った。触れるべきではない焦燥が、思考のフチをなぞるのを、息を吐いてやり過ごす。「アレス様から伺いました。魔皇様が復活なされたと」「……」「そしてもう一度、御身を失われるおつもりだとも」「……奴め、余計なことをしおって」 ひじ掛けを小突いた悪態とは裏腹に、その口元はほころんでいる。 封じられていたアレスの火は、その片鱗を見せた途端、形なく燃え上がった。魔皇が加えた器さえ溶かし、今も彼自身を呑もうとしている。 器を強固なものとするため、取り戻した力を使う。その打診をされたのが、初陣のすぐ後のことだったという。 王の椅子は一つしかない。魔界の行く末さえ決める在り方を、自分たちだけで選ぶべきではないだろう。そう付け加えた彼の面差しは、出会ったばかりの頃の、華奢な輪郭とは違っていた。「私はアレス様のご意向に従います」「まったく……貴様を言いくるめるのが、一番骨が折れるというのに」「承知はしておりますが」「生意気な」 「それでこそ我が駒だ」と笑った口元は、その形のまま酒を含む。「貴様は変わらんな。この酒のように芯がある」「……」「我は……そもそも、スチルでしかなかったのか」「ですが、酒の質を決めるのはスチルマンです」 煌国という理想を体現するための、理想そのものの姿。すべてを焼き尽くすという使命の元に、彼はあらゆる力を振るってきた。 だが、自分もまた有象無象と同じ、ただの火種でしかなかった。気付いてしまったその一瞬、その身を別の火が焼いた。 立ち昇る喪失。その向こうに垣間見えた、アレスという火。彼が燃えている限り、この願いも消えることはない。だからこそ、すべて注ぐのもいとわないのだと、執着の残りを飲み干した。「それで、我を引き止めに来たのか?」「見送れること自体が幸運である。……そう、心得ております」「……それは誰の受け売りだ?」 不意に立ち上がった魔皇の、そでの先がタイをつかむ。のぞき込んできた赤の向こうに、煌国には溶けなかった、氷の色を思い出す。 迷えること、それ自体が英知である。最後に廊下ですれ違った横顔は、受け取ったものへの感謝を告げた。「ありえん。幻影でもつかまされているのか?」「……」「聞き分けの良い貴様など、夢でも見られぬというのに」「……。 アレス様はお変わりになった。私も変わるべきなのでしょう」 今なら思う。弟子を見送れたのも、自分を変えたものがあったからこそだと。 一度目は魔皇を、二度目は弟子を。残された酒は、変わらず香りを留めている。手の熱が伝わるたび、立ち昇る香は幾重にも絡み、形容しがたくなっていく。 のどの先に留まっている、甘さにすら似た感覚は、今しか言葉に出来ないだろう。だがその記述は、彼には必要のないものだ。いつか思い出す時のために、書き溜めておけばいい。それがガープの出した結論だった。 「取り越し苦労だったか」と、空のグラスは笑い声に揺れている。 口元に運ぶたびに、形を変えていた光は、最後に浮かんだ理想を象った。「我が英知のすべてを持って、御身の復活に尽力いたします」「我が力を復元するか。……面白い、出来るものならやってみろ」「この生涯を賭けて、必ず」Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow 三咲(m593)TRAINING安寧 2 三咲(m593)TRAINING 三咲(m593)TRAINING(流血表現有)サイケデリックな配色とは… 三咲(m593)TRAINING火と雨の記憶 三咲(m593)DOODLEてへペロちびロソ様 三咲(m593)TRAINING正統派な感じ(?)のオロ様 3 recommended works チェラテPROGRESS上の方の真ん中あたりに少しだけ色がついてる5色ぐらいの、パステルカラーが見えるでしょうか!それを塗っていきます。背景は大体終了していますあとはステンドグラスと一つだけです。作業時間が24時間を越えました大作です.*・゚(*º∀º*).゚・*. かなうDONEオロチ3やってて鍾会がモンスターに懐かれてたら可愛いなと。模様が訳わからない。 みろくPROGRESSBURLESQUEのアリ ちきんDOODLE本日の議題はげんしぺるふでした けーあーるTRAINING海の中でゆらゆら漂いながら眠りたいって考えてたら青っぽい絵になりました🐬描いてる時凄く眠たかったせいか、さとりんもなんだか眠たそうな表情😪それではおやすみなさーい💤 三咲(m593)DOODLE最小限でそれっぽく的な ノウァDOODLEナランチャ生誕祭(一日遅れ)間に合わなかった…orzけどお祝いしたかったので!おめでとうナランチャ~°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖° 2 茶くれ🍵PROGRESS旅行中に進んだのはここまで tanoDOODLETLに流したやつのちょっとセリフ追加。😇俳優パロ…イチと若は同時にオールアップしてほしい😇あ、久米は撮りこぼしあるのでまだオールアップしません。笑 2