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    霊基異常で幼児化してしまったパ卿と、それに巻き込まれるバソとマスター(パーバソ)①
    パが肉体的に幼児化します。ご注意ください。

    霊基異常〜パーバソのパが不思議な力で幼児化しちゃった!不定期日誌①〜バソ著




    摩訶不思議な事があったので、ここに書き記して己の気持ちを落ち着かせると共に、今後カルデア内で同じような異常が起こった際にも対処出来る様にしておこうと思う。

    側から見れば親バカ日誌なのかもしれない。
    あるいは狂人日記なのかもしれない。
    だが、私は真剣だ。
    真剣に解決策を見出そうとしているし、真剣にパーシヴァルを可愛いと思っているし、可愛い可愛い可愛い……

    いや失礼した。
    とにかく、異常が起こった。
    せっかくだからこれはフィクションだと述べておく。
    何処までかフィクションで、何処までがノンフィクションなのかは秘密だ。






    ▪️DAY1-1


    「すみません……、きづいたらこんなすがたに、」

    パーシヴァルの声が随分と下の方から聞こえた。私は思わずその方角を見やった。
    屈んでいるのだろうとも思ったのだが、そこにいたのは——3歳児程の大きさまで背丈が縮んだパーシヴァルであった。

    「しかも、にくたいにせいしんがひっぱられているのか……かんじょうを、せいすることができずにいるんだ……」
    「要するに?」
    「………だっこ、してもらえないだろうか」

    両手を伸ばし、私へと向ける。パーシヴァルの空色の瞳には涙が浮かんでおり、頬は紅潮していた。
    ふくふくと柔らかそうな頬に今にも溢れ落ちてしまいそうな涙を拭ってやり、私はパーシヴァルを抱き上げた。

    「落ち着いたかい?」
    「……ん」
    「おや〜?こういう時はどうするべきなのかな?パーシィ?」

    生前も独身だった為、私が子を持った事はなかった。己の子が居ればこんな感じなのかも知れない。
    柔らかくて簡単に壊れてしまいそうな愛し子。
    思わずパーシヴァルの頬に頬擦りをする。夜な夜な獣の様に私をこれでもかと愛するいつもの様子からは想像も付かないほどの愛らしさであった。
    パーシヴァルは私の言葉を受け、ハッとした様子で己の前髪で右目を隠した。

    「こう、かな……?」
    「ナイスメカクレ……両目だったら更にいいね!」

    私を喜ばそうとするパーシヴァルが可愛くて仕方がない。何をすれば喜ぶのか。自ら考え、実行する様は恋人という事実がなくとも可愛い。
    腕の中ではいまだ両目を隠そうと前髪を弄っている。両目を隠すには少しばかり足りなかった様だ。彼は前髪で己が両目を隠すのを諦め、代わりに両手で瞳を覆った。
    あ〜〜♡♡私の彼氏、可愛い〜〜〜♡♡♡
    おっといけない。唐突の両メカクレに理性を失ってしまう所だった。
    続けよう。まだ何も解決していないし、大きな事件も起こってはいない。



    「バート、……」
    「おやおや、どうしたんだ私の騎士様は。今日は随分と泣き虫じゃないか」
    「このまま、もどれなければどうしようかと、……みてください、バート」
    「これは?スプーン?」

    パーシヴァルは私へ向け、手のひらに乗る物を見せた。体格と同じ様に、誰かを護る手ではなく、誰かに護られるべき小さな手だった。
    その手のひらには、柄の長いスプーンの様な物が乗っていた。

    「……わたしのロンギヌスまでちいさくなってしまって……」
    「えっこれ、あの大きな槍なのかい!?掌サイズじゃないか!」
    「おそらく、わたしのまりょくにひれいしているのでしょう。つまり、いまのわたしのせんとーりょくはこのていどだということ……う、すみません、また、なみだが、」
    「よしよし。とりあえずマスターの所へ行こう」
    「ざにかえれといわれるかも、くべられるかも、」
    「そうなったらマスターに頼んで私が育ててあげよう。ヒカルゲンジ?とか言うんだっけ?とにかく、私好みの男に育ててあげるから心配しなくていい」

    だから泣くんじゃないよ。元気付ける様にパーシヴァルの柔らかな頬に口付けをした。

    「ふふ、それならあんしんだ。あなたに、またすきになってもらえる」
    「そうだよ。もちろん今だって好きだから、勘違いしないように」
    「こんな、なさけないすがたでも?」
    「たまには、カッコいいをお休みして可愛いにシフトチェンジしてもいいんじゃないかな?」
    「バート……!わたしのうみ、わたしのあい……!やはりあなたは、わたしをよろこばせるのがじょーずだね」

    幼い姿で、普段通りの言葉遣いをするパーシヴァルに妙な違和感を覚えた。もっとも、舌ったらずな発音の為…愛らしさの方が勝ってしまうのだが。
    子供はもっと子供らしく、という気持ちと、彼らしいと思う気持ちが入り混じらないわけでもない。
    どちらにせよ、愛しくて仕方がない。戻れなくとも全力の愛は注ぐ気でいるから安心して欲しい。
    サーヴァントには時間経過による老化はない。だから私は君の成長をいつまででも待てるよ。
    だが、逆を返せば時間経過による成長もないのではないか。——いや、そういう不穏な事を考えるのはよそう。





    ▪️DAY1-2

    「所で、この異常に心当たりはあるかなマスター」
    「……マーリンがやりました」

    目を泳がせながらマスターは言う。
    どうやら今回の騒動は我々がマーリン殿の酔狂に巻き込まれた結果らしい。

    「マーリンどのならやるでしょうね」
    「あー……やりそう」
    「ごめんね、ごめんね、……、」
    「おやおや今度はマスターまで泣き虫になってしまって。どうしたんだ」
    「パーシヴァルだってたまには甘えたいと思う、って言ったら!任せたまえ!って、マーリンが!俺、俺こんな感じになるとは思ってなくて!ごめん……」
    「マーリンどののしわざ…ということはもどるしゅだんもあるということ。マスター。そこまでおちこまないで」
    「君、甘えたかったのか?」
    「そこは、ひていしませんが……」
    「愛情注いでれば二、三日で戻るって言ってた」
    「随分ご都合主義な展開だ。少し前に流行った犬になるやつ。おっきーの持ってる本で見たよ」
    「バート、すまないね。めーわくをかけてしまうかも」
    「可愛いパーシヴァルを独り占め出来るんだ。そう悪い事でもないよ。それに1番最初に頼ってきてくれて私は嬉しかったんだ」

    これは本心だ。
    肉体に精神を左右される様な不安定な状態でなお、マスターの元ではなく私を頼った。嬉しくない訳がない!愛情を注げば戻るというのであれば任せて欲しい。
    私はパーシヴァルを抱きしめ、決意を新たにした。やはり私が、私好みの男に育ててみせよう!と。

    とりあえず髪型はメカクレで。
    そこだけは譲れない。

    とにかく今のパーシヴァルは戦闘にも出られない。
    私が守るしかない。そう、私が!守るしか!
    普段は私を姫か何かの様に扱うが、今だけは別だ。
    普段はあまり可愛がらせてくれないが、今の間に可愛いパーシヴァルを堪能しておこうと思う。

    進展があれば、また記す。
    今日はこの辺で。

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