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    レグルスとあやまつスバルが話してるだけ

    フォロワーさん 推し100日記念日お祝い用「スバル!」
    レグルスのこんな一面を知っている奴が何人いるのだろう。
    無邪気な子供みたいな顔をしながら、俺にぎゅーっと抱き着いてきた。
    「何だよ、レグルス。」
    「ふふ、今日は僕ときみとの記念日だよ。」
    記念日、その言葉に俺は頭を痛めた。レグルスは結構そういう事に拘る節がある。
    付き合った記念日、初めて会った記念日
    女子か?とつっこみたくなるが癇癪を起こされて死ぬのが怖いから今日まで誰も指摘出来ないでいる。
    ちなみに、最初の俺は綺麗に指摘して殺された。以来何も言わず山のように積み重なる記念日を黙って覚えることに専念した。
    けど、今日は何の記念日でもないはずだ。
    忘れたのか、いやそんなことは…とうんうん唸っていると、レグルスはあどけない顔で笑って見せた。

    最強の大罪司教と名高い此奴に、見初められた時から、どうしたもんかと悩んで、その後ろ盾があるから死ぬことは無いだろうと半ばヤケクソで付き合い始めたが、レグルスは中身は置いておき見た目は中々どうして整っている。平々凡々として、何処か人混みにふらっと紛れてしまったらどこにいるか分からない。そんな顔だったが、今の俺ならその綺麗な顔を何処からでも付けられると自負する位には、俺もレグルスのことを気に入っているらしい。自分では認めたくはねーけど。

    その気に入っている相手を、悲しませて、殺される所まではいきたくない、何とか捻り出そうと考えるも何も思い付かず、観念したように両手をあげるとレグルスが口を開いた。

    「今日はね、僕とキミが出会って100日目さ!」
    「…は?」

    思いもよらない言葉に目を見開く。
    「100日目…?」「そうだよ、キリもいいし、覚えやすい数字だろう?」
    100日記念があるなら、200日目記念とか、300日目記念もあるのか?
    おいおい、俺はどんだけの記念日を暗記しなきゃなんねーんだよ、と未来を憂いていると、くい、と手が引かれた。
    「……キミとの、思い出は…沢山ある方がいい。そう思って…キミとの日々をこれからも一緒に重ねたい、軌跡を辿りたい。願わくば、この先もずっと一緒にいたい。だから……その第1の記念として…100日記念日…!だめかい?」

    不安そうな、迷子になった子供みたいな顔で、俺を見詰めてくる。
    どうしてもその顔を笑顔にしたくて、考えるよりも先に、ぽん、と髪を撫でてやった。

    「いいぜ、レグルス。何処までも付き合ってやる。」

    そういうと、柄にもなく頬を赤らめて、けど、心から嬉しそうにしていた。

    何時か、俺が殺さなきゃいけない相手。
    けど、此奴を気に入っているのは本当だし、レグルスだけは、改心させて、手間隙かけて生き残る道を探してもいいのかな、なんて、望んでしまう。


    「大好きだよ、スバル。」
    嘘偽りのない笑顔に、嗚呼、俺もだよ、と優しく返した。
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