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    K2ve2

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    K2ve2

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    リゼロ論破パロです論破パロ



    コロシアイ学園生活を送ってもらいます、だなんて。馬鹿げてると思わないか?

    そう皆で笑いあっていたのに、殺人はおこっちまった…。

    閉じられた閉鎖空間に、俺達の仲に明確な殺意を以て猟奇的犯行に及んだ奴がいる。そう考えるだけで胸の内は震え、吐き気を覚える程だった。


    「だ、大丈夫かい…?顔色悪いけど…。お水、いる?」

    「あ、ああ……サンキュ。」

    しゃがみ込んで動けねえ俺の顔を覗き込んで、ペットボトルを差し出してきたのは……あ、れ。此奴、誰だっけ?

    ふわふわの白い髪に、顔を意図的に隠したがってるかのような大きな丸眼鏡。

    気弱そうな黄色の瞳は、分かりやすくおどおどしてるのに、それでも俺を心配してくれているのか離れようとはしなかった。

    此奴は確か…最初の教室にも居た、それは覚えている。自己紹介もすませた、記憶はある。けど、名前も顔も思い出せねえ…。でもそれを直接言うのは失礼過ぎるだろ。考えろナツキ・スバル…!!脳みそフル回転させて何とか思い出してくれ……!!!





    「………超高校級の無欲。」

    「……え?」「僕のことだよ!超高校級の無欲。レグルス・コルニアス。…へ、変だよね。みんな、超高校級のメイドさん、とか、分かりやすいのばっかりなのに、僕だけこんな…。覚えにくいのは分かってるし、僕自体内気だから、皆にも名前覚えてもらいにくくて…だから、いつも最初からもう1回自己紹介するんだ。」

    「嗚呼、いや……悪い、人の名前を覚えるのは苦手じゃねえつもりなんだけど…。」

    「ううん、いいんだ…。」「んじゃ、また自己紹介してくれてサンキューって言っとく!それに…俺だって超高校級の幸運、なんて宝くじに当たった気持ちでこの学校に来たんだ。俺の方がすっげえ変だし……才能があって無欲だなんて呼ばれてるレグりんの方がスゲーよ!…あー、どんな才能なのかは皆目見当つかねーけど…。」

    「……れ、レグりん?」「愛称って奴。レグルスだから、レグりん。これなら、もうお前のお前の名前も忘れねーだろうし…。」「…ふっ、くく…あははっ。れ、レグりん…なんて、女の子みたい……!!」眼鏡越しに、目尻に涙を浮かべているレグルスは、それでも嬉しそうにしていて。俺を見て笑ってくれたんだ。

    「わりい、嫌…だったか?」「ううん、全然…。むしろ、すごく嬉しいと思った。友達が出来るのも、あだ名を付けてもらうのも初めてだよ……!!ありがとう、ナツキくん!」
    「…んじゃ、俺はお前の事は変わらずレグりんって呼ぶから、俺の事はスバルって呼んでくれ。」「……!いいの?僕なんかが……。」「ちょーーーっと待ったあ!!俺の友達の事を、僕なんかが!なんて言うのは、例えお前自身のことでも許さねーよ。…レグルス。」「………!!…ありがとう、スバル。僕、とっても嬉しいよ。」幸せそうに無邪気に笑うレグルスをみて、こんな血みどろに染まった学園生活の中でも、心を許せそうな奴が出来たことに、俺は希望を見出していたんだ。







    「バルス、此処まで言えば分かるわね?」
    「今までの学級裁判で…犯人たちはみんな星の名前を冠していた…。」

    心臓が、どくどくと五月蠅いほど脈打つ。
    確証はない、だけど、俺がレムやラムと集めた証拠や、証言がひとつの過程を導き出す。
    その日、その時、アリバイがないのは…身の潔白を証明できないのは、此奴だけ…。

    「レグルスはラテン語で小さな王様…。……コルレオニスは…獅子の心臓…。」





    現実を否定するかの様にばん、と思いきり机を叩いた。

    「……れ、レグりん…。確かに、今まで犯人だった奴らは皆星の名前を冠していた。だからってそれでお前を…そんな馬鹿な理由で俺の友達を犯人だなんて言うわけない!

    俺はお前を信じたい……信じたいからこそ、疑うんだ。だから、教えてくれないか?あの時間1人で、保健室で、何をしていたか…。」

    ばくん、ばくん、と心臓の音は早く、自分の声が聞こえない程大きくなり始める。

    レグルスはほぼ黒だ。それを提示したのは俺、レグルスを此処まで追い詰めたのも俺。違う、俺は本当に彼奴を、あの笑顔を信じているから…レグルスに何言ってるんだって、全部全部否定、してほしくて…。誰よりもレグルスのことを信じてる、だから、俺は必至で馬鹿な事を口にした。それが、俺をより深い絶望へと誘うことなんか知らずに。

    「も、もしかしてレグりん。お前誰かに脅されてるんじゃないのか…!?それとも、実は双子で、もう1人の自分がやりましたー!だとかさ!お決まりのストーリーっつーか…!!!」「……もう1人の、自分……?」「そ!そうだよ。推理ゲームでもお約束のネタで「ふ、くくっ…あははっ」「…………レグルス?」

    「あははっ、あっはははははは!!!さっきから聞いていれば荒唐無稽なことばかり!僕を追い詰めた気になってその癖失いたくないからって訳わかんないこと事を弾丸みたいな勢いで話し出すんだもの…!!!キミってばほんとにおかしい……!!!」

    顔を覆う程の、まあるい眼鏡を外す、垂れた瞳は、奥に鋭い嫌な光を宿し、凛とした表情で、俺を見つめた。



    「あのさぁ、キミがしてることが何か分かる?ぎりぎりーって自分の首を絞めているだけだよ。だって、僕は犯人じゃないんだもの。ふ、ふふ…!!!僕のこの証言を聞いておいて尚それを聞いててその態度だっていうんなら、それはもう、僕の意見を無視するってことだ。僕の権利を侵害するってことだ。僕の僕に許されたちっぽけな僕という自我を、私財を、僕から奪おうってことだ。……それは、如何に無欲な僕でも、許せないなあ…。」


    「……れぐ、りん?…レグルス…だよ、な。お前…。」



    気弱そうな態度も、控えめな笑顔も、足を震わせながらエミリアの弁論を図ろうとしていた昨日までの彼奴と何一つとして重ならない。現実を受け入れたくなくて、目の前がぐにゃりと歪んだような気がした。

    「嗚呼、その訳の分からないあだ名!ずっっっと止めてほしかったのだけれど?僕は嫌だっていうのに彼奴は喜んじゃってまあ…。「…彼奴?」「嗚呼、さっきまで此処に居た奴の事だよ。……キミが、僕を呼んだんだろう?もう1人の自分って、キミが言ったんじゃないか。だから出てきてあげたんだ。この僕………超高校級の強欲、レグルス・コルニアスがさ……。」









    _____________



    「レグルス…!!レグルス、レグルス…目を…開けて…死なないでくれ…。」

    俺の両腕に収まったレグルスは、息も絶え絶えで、胸から流れる血が…止まってくれない。「……ずっと、考えてた。」「……っ、レグルス?」「記憶が無かったとはいえ、あの魔女にこうやって…望まない因子を埋め込まれて…キミたちに沢山、沢山の迷惑を掛けた僕が…生きている理由はなんだろうって…。」「そんなこともういい…!!友達なら迷惑かけたって良い…!!そのたびに俺がお前を絶対俺たちの方に引きずり戻してやる…!だから今は……!!!」「スバル……レグりんって、呼んで。……変なあだ名だったけど…僕としては…すごく気に入っていたんだよ。」エミリアが、ラインハルトが……フェリスが、必死でレグルスの命を繋ごうとしている。それでも、結果は芳しくないらしい。

    消えようとする命を、腕に抱えたまま、涙が止まらない。此奴を、救ってやらなくちゃ、友達だからと手を引いてやらなくちゃ、いけないのに。

    「……耳を貸して。僕がキミに出来るたった1つの償いを、どうか聞いてほしい…。」

    息も絶え絶えで、必死に言葉を遺そうとするレグルスに耳を傾ける。



    それは…絶望に打ちひしがれ、無力感に苛まれ、希望を失った俺達を、明るい星の輝きで照らし、導こうとするような、反逆への一手だった。







    _________________



    右手に彼奴が遺したイヤリングを握りしめる。



    「……私が、あの場に居たと…?……もし、何かの見間違いではありませんか」「それは違うぜ!!!!」

    俺達が一丸となっても砕けなかった、パンドラのアリバイを、レグルスの言葉を、皆の証言を元に、弾丸の様な言葉を叩きこんでやる。此奴が、全ての元凶。超高校級の保健委員の皮を被った黒幕、ペテルギウスや、シリウス。レグルスに無理やり因子を埋め込み操り人形にした絶望と虚飾の魔女……!!!!



    「これまでの俺たちの話、その耳でしっかり聞いただろ、パンドラさんよ。聞き間違いだなんてもう言わせねーよ。俺たち全員が証人だ。…さあ、始めようぜ。……最後の学級裁判って奴をよ。」















    おわり
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