たぬこんとボッキーの日。これはこの世界のどこかにある、とある小さな森のお話です。
その森に暮らす小さな狐の銀時と、小さな狸の高杉はいつも一緒に遊んでいます。
生まれたときから一緒の二匹は、どんなときでもお手手をつないで、ご機嫌です。
さてさて、今日の銀時と高杉は、最近見つけた森の外れにある家に遊びに来ていました。
家の家主は松陽という名前のニンゲンで、銀時や高杉を我が子のように可愛がっています。
いつものように遊びに来た二匹に、家主は小さな箱を渡しました。
「知っていますか、銀時。今日はボッキーの日なんです」
「ぼっきー?」
「甘いお菓子です」
「おかし!」
銀時は目をキラキラさせて、箱を開けました。
そこには小枝のようなものが数本入っていて、銀時は不思議そうに見つめます。
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