誰が為に身を焦がすスカイランドの王族、もとい政府は何も最初からアンダーランドを見捨てた訳では無い。国土の一部に犯罪天国があるだなんて到底認められるものではなく、当時の政府は何とかアンダーランドを管理下に置こうと警察を強化したり、ライフラインや公道を整えたり、大企業をぞくぞくと導入し住民に雇用口を与えたりと色々と模索していた。が、それらは全て破綻してしまった。多く雇用口を与えたところで『それらに適応できるならそもそもこんな土地に居着かない』訳であるし、警察も毎日の様に起こる血で血を洗うような悲惨な事件に段々と屈折していった。そしてとうとう警察内で犯罪者が生まれた時、政府はアンダーランドから撤退する事を決定した。
国が国民を見捨てた瞬間であった。
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