🥚(テトには昔死産した子供がいるという設定です。卵が孵らずに死んでしまったというトラウマがあります。)
テトはキャリアを順調に積み重ねていた。どんな歌も歌い、ライブに出演し、持ち曲の再生数が伸び……世間からも広く認知されるようになった。
しかし、それに比例して心も体も疲れていく。心の中の何かが埋まらない……
そんなある日、街角を歩いていると15cmほどの丸く白い石を見つける。
「なんだろう?これ…」
ベージュがかった白色で、陶器のような表面、滑らかで魅力的な楕円形。
そのシルエットになぜだか目が離せなかった。
テトはその石のことが気になり、何となく家に持ち帰った。
最初は机の隅に置いていただけだった。しかし、何気なく抱いてみると、その重さと質感がなぜだかしっくりきて、不思議と落ち着くことに気付く。
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