翼・光 立て込んでいた仕事が一段落すると無意識に身体はあの人の元へと歩き出していた。
いつものように気を集中し居場所を探る。疲労困憊の重たい身体はその人の事を思うだけで軽くなった気がした。
暫く森の中を進むと川辺に辿り着く。そこには美しい緑色の身体を晒し水浴びをする師匠がいた。
――……しかしその姿はどこから見ても僕の知っている師匠ではなくて、まるで夢でも見ているかのような気分にすらなった。
「悟飯、来ていたのか」
「……それ……どうしたんですか……」
「? それ、とはどれの事だ」
「だから、その姿はどうしたんですかって聞いてるんです」
「……? ああ、すまない」
一言謝ると、ピッと指で胸元を指差しいつものように道着を生み出す。……勿論服を着ていないことを指摘している訳ではなかったのだが。
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