大きな大根分かりやすく気持ちが落ちる日がある。
理由は特になく、目が覚めた時から気持ちが重い。
授業をしていても教師の言葉が頭に入ってこず(それでも当てられれば答えられるのだが)、実技で体を動かしてもなんだか上手くいかない(こちらもまた組手していても負けることはない)。
何してもどこか消化不良で、学園長が朝から出かけているから委員会もなしになれば自室に戻ってごろりと床に横になって。
深く息を吐いて、目を閉じた。
僅かに浮上した意識。
鼻に届いたいい匂いに薄らと目を開けた。
ああ、寝ていたかとそこで思う。
体を起こそうとして上にかけられた何かに気づいた。手に取るとそれは五年生の忍服。自分のでは無い。けれど裏地は自分のものと同じ。
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