太陽の日差しがジリジリと照りつける鉄板の上は、むわりとした熱気が立ち込めていた。
習慣となっている鍛錬を終えた豊久が飛龍の甲板に出ると、船首の方からワイワイと騒がしい声が聞こえてくる。その騒音の元に見当はつくものの、興味本位で確かめにいけば案の定あの男とその取り巻きの犬猫たちだった。
「ぃよっしゃ!俺の勝ちィ!」
「さすがは空神様です…!オレのなんかすぐ落ちちゃいました!」
「ワシのもだにゃ〜…。全然飛ばないにゃ!」
「わはははは!そりゃ年季が違うからな…っていうかお前らの手だと回転が掛かりにくいんだろ、多分」
数名(数匹?)の一団はどうやら何かで遊んでいるらしい。何だろうかと思い近寄れば、こちらに気づいた1匹の犬が「あ、御大将」と声をかけてきた。
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