勇者
真名: 不明(かつては世界に轟く名を持っていたが、封印の影響で失われたか、あるいは意図的に忘れ去られた)
種族: 人間(しかし、その力は神の領域に達している)
年齢: 外見は20代後半(実年齢は不明。封印期間100年を含めると最低でも120歳以上)
居住地: 彩珠島(フェリメラを追って)
勇者はかつて、世界を破滅へと導こうとした邪神を単独で打ち倒し、世界を救った唯一無二の存在。
その力は絶大で、人々にとって希望の光であった。しかし、その強大すぎる力は、世界の秩序を司る神々にとって脅威となった。
神々は勇者の力を恐れ、彼を直接討ち滅ぼすことはせず、卑劣な騙し討ちを仕掛けた。
勇者は強固な魔術が施された小箱へと封印され、二度と浮上することのないように世界の果ての海の底へと沈められた。
勇者が封印されたのは、かつて彼と共に旅をしたフェリメラが神に命じられ、他の世界へと旅立っていた時期と重なる。フェリメラが元の世界に戻ってきた時には、既に100年の時が流れており、勇者は深海の底で眠っていた。フェリメラが神に逆らい、神解の宝鍵で勇者の封印を解いた瞬間、勇者の内側に溜まっていた神々への激しい恨みが、瘴気となって世界へと溢れ出した。この瘴気は世界の構造にほつれを生じさせ、フェリメラを異世界へと吸い込み転移させてしまった。
フェリメラが異世界へと飛ばされた後、勇者もまた、彼女を探し求める中で自力で世界の壁をこじ開け、同じ世界へと転移してきた。
元々は海外の地へ降り立ったものの、フェリメラの気配を追って旅を続け、ついに日本の彩珠島へと辿り着いた。
長きにわたる封印と、神々への激しい憎悪を抱えていた勇者だが、フェリメラがこの世界で平穏に暮らしていることを知ると、彼の心境にも変化が訪れた。「煩わしい神が居ないここで暮らすのが丁度いい」「フェリメラと平和に暮らせるならいいか」という気持ちが芽生え、かつての復讐心よりも、フェリメラとの静かな日常を望むようになっている。彩珠島の世界に何か危害を加えるつもりはなく、ただフェリメラの傍で穏やかに過ごすことを願っている。