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    ozappamike

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    ozappamike

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    書きたい処だけを書いてくスタイル
    自分用だし、勢いで書いただけだから誤字脱字と使い方間違ってる文字がある(はず)
    魔導辺りの設定かなって、そんなフワフワ具合を楽しめる方向けになります。

    無自覚ラグ⇒←無自覚シェのラグが自覚する当たり~あらすじ~
    お互い「顔がいい」と思ってるけど性格は気に食わないと思ってるラグナス&シェゾ。
    お互いにアルルは相手に惚れてると思ってるからちょいちょいアルルが相手の話を降ってくるたびに「まぁ、アイツ顔は良いしな」ってモヤモヤしながら聞いてる。
    そのうち、アルルが気になると勘違いしてお互いに牽制してたら二人ペアで行動するのが多くなってく。謎の緊張感が漂う雰囲気に、お互いが相手を殺そうとしてるから緊張感が漂うと更なる勘違いを加速させていく二人。先にシェゾが耐えられなくなって攻撃して殺伐殺し合い中
    ~あらすじ終了~


    切り結んだシェゾとラグナスの視線が交わる。
    普段は不自然なほど揺らぐことなく凪いだ瞳をしているシェゾが、感情を乗せて瞳を揺らめかせてラグナスを射抜く。
    その様子に腹の底からゾクゾクと言い様のない高揚感が湧き上がってくるのをラグナスは感じた。

    ラグナスには誰にも言うつもりはない秘密がある。それはシェゾと戦う事を好んでいるという事だ。
    誤解を恐れずに言うならば、戦うという行為自体よりもソレを通して見えるシェゾの本質を好んでいる。
    年齢的なモノなのか、闇の魔導士という宿命を背負ったゆえのモノなのかはラグナスにも解らなったが、冷たいとは異なる何処か冷めた瞳も、周りと一線を引こうとする態度も、抑揚を抑えた喋り方も、全てが気に入らないと思っていた。恋敵となってからは、一層気に入らないとラグナス自身でも自覚するほどには態度に出ていただろう。
    それも仕方がない事だろうと、ラグナスは考える。
    目の前に居る、怒りに瞳を燃え上がらせ、自ら懐に飛び込んでくる好戦的なスタンス、殺意よりも自身の魔導に対する絶対的な自信が透けて見える声色、全身が汗や血で汚れてなお神聖さを感じさせる、普段とは似ても似つかないシェゾ・ウィグィィという男を見てしまえば、自分の言い分は誰が聞いても納得するはずだ。
    至極当然な事だと思ったラグナスだが、それと同時に自分がここまでしないと引き出せない彼の本質を会話だけで引き出しているアルルを思い出し、やはり彼女は凄いと素直に称賛する。チリチリと焼けるように胸の奥で広がっていく嫉妬をそのままシェゾにぶつけるように、ラグナスは闇の剣ごとシェゾを叩き切るつもりで強く押しこむ。
    本来ならば容易くいなされて、側面に回り込まれるのを警戒する行為となるが、ラグナスにはシェゾがそうしないだろうという自信があった。

    魔導士だというのに、ラグナスの剣を真正面から受け止め続ける負けず嫌いなシェゾを見て、ふっとラグナスは不自然に息を吐く。
    本人さえも無意識だった笑いにも成らなかったソレ。しかし、シェゾの怒りに触れるのは十分だった。
    軽く息を吸い込む為にシェゾが薄く口を開く。
    ラグナスは直ぐに、至近距離でのシェゾ自身さえも巻き込む魔法を展開させるのだと気が付いた。詠唱を止めるか、魔法に備えるかを瞬時に考えたラグナスの思考は止まった。
    戦いの中で乱れていたシェゾの白い髪が普段よりも赤みを帯びた唇にかかり、少しだけ開いていたソコを強調していたのだ。

    シェゾには自信があった。
    例えラグナスがどう行動にでようとも、詠唱を先に終わらせる自信もあったし、魔法を展開した後にどう対処されたとしても優位性をとれるという自信が。
    加えて言うならば、ふいに顔を寄せてきたラグナスに対して、反応をしなかったのは少しの驕りがあったのも事実だ。
    魔族や魔物ならいざ知らず、人間が顔を寄せてきた処で血や魔力を吸う事は出来ない。出来る事と言えば、詠唱を止めるだけの強さで首に噛みつく事程度だろうが、相手はあのラグナスである。そんな事をする奴ではないと判断し、無駄に反応をして隙が生まれるのは癪だと無視を決め込んだのだ。
    だから詠唱が出来なくなったのも、至近距離にラグナスの顔があったのも、唇に熱いと感じるほどの熱を感じたのも、シェゾにとっては想定外であったし、全てがイコールで関連づくモノだと咄嗟に気付けなかった。

    最初に戻った思考でラグナスが考えたのは「あ、柔らかい」である。
    自身の能天気さに頭を抱えそうになったラグナスの腹部に、重い打撃音と共に容赦なく内蔵を叩きつけられる衝撃が加わった。それがシェゾの膝蹴りだと認識するよりも前に、衝撃で競り上がってきた胃液を地面へと吐き出す。
    まだ食事前で良かったと現実逃避をしたラグナスは、飛びのいたシェゾに視線を向けた。目を白黒させながら唇を手の甲で拭っているその顔は、指摘するのも可哀想なほど紅く染まっており、燃えるようだった瞳は薄く揺らめく膜を張っていて、率直に言うとラグナスにとって「可愛い」という部類の表情である。
    ラグナス・ビシャシという男は、決して自分の感情に疎いわけでも、恋愛下手な訳でもなかった。故に、理解してしまう。
    自分は、この殺し合いをしていた男を好いているのだと。
    何処がいいのか。こんな顔だけの面倒で変態な男の何処が。
    何度自問自答してもラグナスの中では答えが出ている。そう、顔だ。
    自覚する前からずっと自身が言っている様に顔が良すぎるの一点に答えは集約されていた。
    男。変態。闇の魔導士。意外と面倒な性格。何よりラグナスをイラつかせる言動や行動を積極的にする。
    どんなに欠点を上げていっても『でも顔が良い』と最後に付け足す自分に、ラグナスはついに頭を抱えた。
    成就するはずもないし、成就したとしても喧嘩別れする未来しか見えない。
    不毛である。あまりにも不毛過ぎた。
    それもこれも全て…
    「性格は悪いのに顔が良いお前が悪い」
    思わず零れ落ちたラグナスの唸りにも似た声は、しっかりとシェゾの耳に届いていた。飛びのいたとはいえ、先ほどまで鍔迫り合いをしていた距離に居たのだ。当然である。
    しかし、そんな事を気付かないほどラグナスは自分の事で切羽詰まっていた。
    だから急にシェゾからの殺意が膨れ上がったのも、間髪入れずにラグナスが居た場所に闇の剣が刺さっている事も、古代魔導の詠唱をしながらラグナスを睨みつけている事もある種の仕方ない出来事なのである。
    「殺してやる!」
    先ほど以上の殺気を込めて睨みつけてくるシェゾを見たラグナスは、殺気により鳥肌が立つのを自覚しながらも『やっぱり顔が良い』と考えてしまう。

    のちにラグナスは、この時の事をシェゾにこう弁解する。
    「誓って、やましい気持ちは一切なかった」と。
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