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    レウスくんが女の子といちゃいちゃしてるのに嫉妬するオジサンレウスくんがデアの女職員に気に入られちゃってしょっちゅう一緒にいるようになって、それまで身体の関係があったオジサンの相手なんてしてる暇なくなっちゃって、告白こそされてないけど愛されてる、みたいに思ってたオジサンは「あぁはいはい、わかってますよぉ、オジサンはもう用済みってことね」って関係の断絶を口にする。レウスが「違う」だの「面倒見てくれって頼まれたんだ(マスターより)」だの言うけどその間も女はレウスに張り付いたまま、そしてオジサンは聞き耳持たず。「君と関係が切れてせいせいするよ」と言えば、ショックを受けたようなレウスの表情。
    「俺はアンタを愛してた。アンタは違ったのか?」
    「もちろん。誰が好き好んで自分を殺したやつなんかと愛し合うっていうのさ」
    「そう、か」
    ショックを受け、顔を曇らせるアキレウス。その隣には職員の女の子。

    ――きっとこの子となら、幸せになれるだろう。

    サーヴァントに幸せなぞあるのかしらない、が、自分といるよりは幾分もマシだろう。ヘクトールはそう思い、立ち尽くす二人に背を向け自室へと引きこもる。
    暗い室内で襲ってくるのは、心の痛み。あの愛おしさを訴える瞳も、優しかった手も、二度と自分のもとに帰ってこない。ヘクトールはそれを思い、一人静かに涙を流した。

    デア内ではアキレウスが女の子とともにいることが多くなった。ヘクトールとアキレウスの関係を知る数少ない人物の一人、ロビンが心配してヘクトールに声をかける。
    「あれ大丈夫なんです?アンタたち付き合ってたんでしょう?」
    「あぁ……違うよ」
    「は?ちがうって……」
    「違ったんだよ、ロビン」
    うまく、微笑んだはずだった。しかし、目の前のロビンは痛々しそうに顔を歪めた。
    「アンタのほうがよっぽど大丈夫じゃなさそうだ」
    「そう?ストレスでも溜まってるかな。午後はシミュレーター借りてちょっと息抜きしてくる」
    「そらいい考えだ。ちょっときれいな空気でも吸って、気分変えてきなよ」
    「あぁ、ありがとう、ロビン」
    そう言ってヘクトールは施設予約のためその場を去った。

    「さぁて……昔からの付き合いの御大が、顔色悪いと寝覚めが悪くてね。余計なお節介だろうが、やかせてみもらうよ」
    ロビンはそう言うと、急ぎ自身の歩みを進める。目的はそう、ただ一人だった。

    運良くしていたシミュレーターを予約し、ヘクトールは程よく敵が出る設定を設け中に入った。
    体を少しでも疲労させ、余計なことを考える隙間をなくす。
    立ち止まってしまえば、再びアキレウスのことで頭が一杯になる。そんな自分は、もう嫌だった。
    しならせた槍がひゅお、と鋭い音を立てながら空間を裂く。あたりにいた敵はたちどころに上下の体が仲違いし、ばたばたと横たわっていく。
    疲労を促すためとはいえ、敵を出しすぎたのかもしれない。
    自身の息が切れていることに、ヘクトールは初めて気がつく。
    その時だった。倒された敵が流した血が、地面をぬかるませていた。
    「っ、あ……!」
    ずぶ、と地面に足がめり込む。体制が崩れたことを、敵は見逃さなかった。放たれた刃がまっすぐにヘクトールとへと向かってくる。死ぬわけではない、とわかりながら、痛みに耐えるために防御の姿勢に入る。丸めた体を、鋭い痛みが襲うことはいつまで経ってもなかった。
    「おい……気ぃぬきすぎなんじゃねぇか?オッサン」
    聞こえた声に顔を上げれば、よく見知った若草色の髪とこちらを睨みつける黄金が見えた。
    「ちょ、っと、足場が崩れただけでしょ。シミュレーションなんだし、いい練習になったよ」
    言葉をかわすのはいつぶりだろうか。嬉しい、と心が訴える反面、もう戻らないのなら優しくなどしてほしくないという感情が首をもたげる。気づけば、周りにいた敵はすべて消え失せていた。
    「なぁ……あのときの言葉、本当なのか?」
    今更なぜそんなことを聞くのか、ヘクトールは知りたくもなかった。嘘でも本当でも、もうもとに戻ることはないのだ。
    「あぁ、あれ。本当だよ。君がオジサンのところに来なくなって、体は楽だし夜は時間ができたから読書もはかどるし、順風満帆だよ」
    「……嘘だ」
    「本当だよ」
    「じゃあ、なんでアンタは泣いてんだよ」
    「……へ?」
    頬に手を当てれば、濡れた感触。気づかぬうちに、涙を流していたらしい。
    「霊基も薄いし、判断力も落ちてる。寝てんのか?ちゃんと」
    「ちが、これは……!」
    「何が違うんだよ。嫌だったんだろ?俺があの女に取られるの」
    「っ、!」
    「あれはマスターに頼まれたんだ。精神的に弱いみたいでな。依存傾向が強いから、本部に返すまでの間面倒見てくれって」
    「……きいて、ない」
    「説明しようとしたら、アンタからあんな事言われてな。こっちも柄にもなくショックだったんだよ。ずっと好きだったやつにあんなこと言われたらショックだろ」
    「すき、とか、きいたことない」
    「そうか?言ってんだが……あ」
    「?」
    「いや……言ってるの、セックスのときにアンタが気をやってるときだ。そん時のアンタ可愛くてな。甘えてぎゅーってしてくるから、そのまま好きだ、と言ってたが……もしかして聞こえてなかったか」
    「〜!きこえてるわけ、ないだろ!!」
    それは疲労と微睡みと限界が一気に来ている瞬間だ、快楽の多幸感も相まって、何も聞こえていなかった。
    「じゃあ改めて……好きだ、ヘクトール。ここでアンタが過ごす時間に、俺を居せてくれ」
    アキレウスはヘクトールの手をとると、恭しくそこに口づけた。まるで女にでもするような仕草がいやで、ヘクトールはその手を振りほどく。
    「もっとふさわしい場所が、あるんじゃないの?」
    涙で濡れた声でいうと、アキレウスは少し驚いた顔をした後、とろりととろけた笑顔を浮かべた。
    「あぁ、そうだな」
    ヘクトールを抱き寄せ、顎を上向かせると、アキレウスはその唇に噛み付く。荒々しいそれは気遣いなどなく。玩ぶように口内を蹂躙する。それに答えるよう、ヘクトールも舌を絡ませる。粘膜を触れ合わせる濡れた音は、その後もしばらく止むことはなかったー。

    みたいな。
    ロビンがレウスに知らせに行った、みたいな。
    この後シミュレータ内で愛の確かめ合い(セッセ)です、本当にありがry)
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