モブ寮生、推しを語る会「それでは、定例モブ会議を始めます」
ここはナイトレイブンカレッジにある空き教室の一つ。イグニハイド寮生の一言で集まった複数名の各寮生が背筋を正す。これはモブによる、モブ達の、推し寮生を自慢する一大イベントなのだ──
「では、本日の司会進行を務めます三年B組所属、イグニハイドの僕から推し寮生を発表させていただきます」
各寮の生徒が座る机の前に立っているのは眼鏡を掛けたイグニハイド寮生。今回参加している寮はサバナクロー、スカラビア、ポムフィオーレ、イグニハイド、ディアソムニアの寮生達だ。各寮複数人だったり一人だったり、参加人数は制限をされていない。
この会は持ち回りで司会進行を務める。前回はポムフィオーレの二年生が務め、大盛況を収めた。実は昔からある影の伝統行事であり、歴史が古い。数年前に開催された際、サバナクローとスカラビア寮生が大喧嘩の殴り合いを経て、熱い絆を結んだのは今でも語り継がれる話である。
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