輪廻転生、さよなら愛を込めて。ある日、突然世界が色を失った。
あんなに光り輝き、彩り豊かだったはずの豊穣期の緋の森ですら、私の目にはモノクロに映る。
ヴェルナーさんが死んだ。それは本当に突然で、任務を終え星の隊が滞在しているベースキャンプに訪れた際に知らされた。
一応、彼とは対面出来、顔を見たが苦しんだ様子はなく、穏やかだったのが救いだった。触れた頬は、いつもの温もりはなくヒンヤリとしていて、その時の私はびっくりするくらいの冷静な頭で「ああ、本当に死んでしまったんだな」とだけ思った。
不思議と涙は出ず、ただぼんやりと彼を弔うみんなを見ていた。
その日からだった。私の世界から色が消えたのは。
だけど、何も変わらなかった。いつものように笑い、話し、狩猟に行く。周りも驚くほどに。
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