水着の歪み 「海行こう!」
「うむ!」
「ちょっっと待て!」
夏のUTSで唐突に、またいつものようにそれは始まった。
「なんで急に海なんか…」
「最近暑すぎるんだヨ。これじゃ仕事も捗らないし、お休みとって海に行こうってコトだヨ。」
「ソレガシも賛成だ。…最近は特に…暑いからな。」
「ユウディアスの最近って…まあいいや。…でいつ行くんだ?」
「明日。」
「明日ァ!?」
「私が行きたいと思ったんだから行くべきなんだヨ!という訳で水着買いに行くヨ!」
「…ってか水着なら学校のやつでよくね?」
「あんなんじゃ全ッ然ダメだヨ!それにダークメンのみんなの分も買わなきゃだし。」
「あいつら水着いるのか?」
「必要だヨ!…っと、着いたヨ!品揃え豊富で懐に優しい、常夏印の服屋さん!」
「店長のヴィーナス・ガニギアガニ〜」
「じゃあ私は先にダークメンの水着選んでるから二人は自分の選んどいてネ!」
「…ったく遊歩のやつ。水着なんてどれでもいーだろ?」
「そうでもないぞ、遊飛。…それにソレガシは色んな水着を着た遊飛が見たいのだ。」
「…ユウディアスにそう言われるとなぁ…お、これとかいーんじゃね?」
「二人ともごめんネ〜中々決まらなくて。」
「遅ーよ…もう俺たち水着選んじまったぜ?」
「ごめんごめん、後は私の水着選ぶだけだから。」
「まだ選んでなかったのかよ!?」
「私の水着は二人にも見てもらいたくて…色々持ってきたから早速着てみるネ!」
「まだ選ぶのかよ…」
「いいではないか。一緒に遊歩に似合うものを選ぼう。」
「へいへい…」
「まずこれはどう?」
「少し肌を見せすぎだがとても似合ってるぞ!」
「んー…なんか違う?」
「これは?」
「少し肌を見せすぎだがとても似合ってるぞ!」
「なんか違う。」
「…これは?」
「少し肌を見せすぎだがとても似合ってるぞ!」
「違ーう。」
「二人とも真面目に選んでる!?」
「至極真面目に選んでるぞ!」
「なんか違うって言ってんだろ?」
「全く…ユウディアスはパーカーも着るから安心して?じゃあ次は…」
「…ったく、人に付き合わせておいて…」
「どの水着もとても遊歩に似合っていたな!」
「ちゃんと選んでヨ?…これはどう?」
「おお!とても…いやかなり…肌を見せているが似合っ…」
「…ダメだ。」
「えっ?」
「それほどか?少し露出は多いが中々似合ってで…」
「いいから、別のにしろ…」
「…ふーん。そういうことネ…」
「な、なんだよ…」
「わかったわかった、お望み通り別のにするヨ。
…これにしよっと。」
「うむ。少し肌を…」
「はいはい、お会計してくるネ〜」
「…」
「遊飛〜」
「な、なんだよ…明日は海だから早く寝ようって言ってたくせに…何時だと思ってんだよ。」
「まあまあ、それより明日楽しみだよネ〜」
「…そんなこと言いに来たのかよ。一緒に寝るならそれでもいいから早く寝るぞ。」
「…水着買う時やけに動揺してた時があったよネ?」
「え?」
「もしかして…って思って水着二着買っておいたんだよネ〜。」
「急に何を…って何脱いで…!」
「…どう?パジャマの下に着といたんだけど。」
「…なっ…」
「…ふーん?…やっぱりこの水着好きだったんだ?」
「そういうわけじゃ…!」
「だってしっかり反応しちゃってるし。そっか〜遊飛はこういうのが好きなんだネ〜」
「…だから…」
「そんなに好きならさ…今日もやっちゃおうヨ。ユウディアスやダークメン達はもう寝てるし。」
「…いつもいつも流されてるけど今日は別に…!」
「本当に?自分に嘘つかなくていいんだヨ?…私がこの水着着るのは遊飛の前でだけだヨ?私も遊飛もいつもよりずっとずっとキモチイイと思うけどネ〜」
「………」
「…どうする?」
「…一回だけ…一回だけだからな…」
「…ありがとう遊飛…大好きだヨ♪」
「…」
「あ、でも…明日も水着着るからあんまり跡は残さないでネ。」
「……わかってるよ…」
「みんな海楽しい〜?」
「サ、海気にいった。」
「母なる海…素晴らしいです。」
「押忍!楽しんでるであります!」
「日陰的撤退だ…暑すぎる…」
「遊飛〜ボクちんとも遊ぼ〜」
「わかってるって。あんまはしゃぎすぎんなよ!」
「…みんな楽しいようでなによりだ。」
「…ねぇユウディアス?」
「どうした、クヤムヤ?」
「気づいてるよね?…遊飛と遊歩のコト。…ユウディアスはどう思ってる?」
「…二人の仲が良いのはよいことだ。」
「………そっか…」