T国某所、山の上に座る男の独白。竜が統べる国と呼ばれているらしいなァ、此処は。
実際間違っちゃいねえ。
この国の統領は大きく恐ろしく、そして美しい竜であることはあの信奉者でなくても言うことだろうさ。
そんなやつだぞ、強さは折り紙付きだ。
まあ勝手に自分で折り紙作るようなとこはあるかもしれねぇが?
それでもあの竜は強い。誰もが認めるほどに、誰もが見上げるほどに。
そこに何も偽りなんかありゃしない。
で、だ。
その竜の御前に立つんだ、前座の一つや二つあるとは思わなかったのかよ、テメェらは。
あのうるさい信奉者にやらしてもよかったんだが、腹が減ったからなァ。
……食いでが全くなかったのが残念だ。