貴婦人と御令嬢(没) オンボロ寮に新しい住人がやって来た。痩せっぽっちの子供と品のない魔獣。
彼らは2階の一室を最低限片付けて住み始めた。無断で住み始めたなら脅かして追い出そうという意見が多かったが彼らは仮にもこの学園の長からここに住むようにと手配されて来たのだ。
ゴースト達との会話を盗み聞けば、あの子供は別の世界から来たらしい。
これには怪異一同驚いた。
更に子供は記憶の欠落も目立ち、身体も痩せ細りあまりいい状態ではないという。
これを聞いて真っ黒が同情した。真っ黒は弱い者を庇護する性格だ。それに釣られてか手も子供を住まわせる位はいいのでは?と言い出した。
意見は割れ、怪異達は騒がしく言い合った。
パンっ
オンボロ寮の主人である黒衣の貴婦人が手を叩いた音だった。
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