囚人のジレンマ。畜生…っ!畜生畜生畜生畜生…!!!
息が上手く吸えない。肌が粟立つ。
足元がぐらついて、もつれて上手く踏み出せない。
なんでだ、どうしてお前が。
神に背いて堕天した、なんて。
嘘だ。と思った。
わざわざ神の命令に意見し、背き、天界から逃げた天使がいる。
そんな事、どこかの誰かさんみたいな優秀な天使様は絶対にしないよな。次にお前に会ったら、そう揶揄って酒の肴にでもしてやろう、とそう思ってた。
心のどこかでナメていたんだろう。アイツのことを。優等生で。真面目で、天使の見本みたいな綺麗な、お綺麗な天使様だとたかを括っていた。
だから、見落とした。度々お前は零していた。神が振り翳す正義について盲目的に正しいと判断して良い事なのか、と。
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