ラヴ・ソングは毒の味「…ぐずっ…ひっぐ……」
「うぅ……うぁ〜、、……」
おれの腕の中にぬくもりがある。
おれの腕の中でスオ〜がすっぽりと収まってしゃくりを上げながら涙と鼻水を啜っていた。服の胸元を掴んでわんわん泣いている。涙と鼻水までおれの服に吸い込まれていった。…あとで洗お。
可哀想なスオ〜。心がズタズタに切り裂かれてぐちゃあって潰れたんだろ。どうしたら元通りに治ってくれる?おれにできること、ある?あるならおれが慰めてあげる。その哀しみを取り除いてあげる。
そんな慈愛の心とは裏腹に霊感が止まらなくて脳内から溢れ続けていた。
涙を溜めてきらきらに輝いたアメジストのような瞳に、上擦ったうめき声と鼻を啜る音におれの脳内はメロディーが溢れ出して鳴り止まなかった。
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