全部が終わった後には
倉は神様学校に編入しそうだな~・・ってなんとなく思ってて
というか
倉が転入してからの藤との遠恋をやって欲しくない?え?ダメ??
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全部が終わった後
元通りとはいかないけれども、元の世界とは少し変わって、種族間にあったわだかまりが薄くなった世界。あの人の悲願。あの人の願い。あの人の・・・・。
自分がしなければならないことが終わった世界は、とてもむなしいだけだと思っていたのに、横で自分と同じように地べたに座りながら「やっと終わったな~~~!」なんて藤平が笑うのを(こんな時でも笑うのか)とあまりのお人よしっぷりに愕然として見返した。それだけだったのに。
藤平は一瞬だけ驚いてから、さらに笑いながらも俺の頭を乱雑に撫でてきて。
乱雑すぎる手にかき乱される髪と頭にほろりと自らの眼から零れる雫。
気づかわないまま、指摘しないままに拭わないそれは優しさでしかなくて。
何を言えばいいのか分からないままに「ばか」と言えば、また笑う声が聞こえた。
まぁ、そんなこんなで全てが終わったので
俺は元居た場所に帰らなければならないんだけれど
え、嫌だ。
嫌すぎる。
しかも帰るだけならまだしも
「…なんで神様学校に編入?」
出された辞令にはでかでかと神様学校、二学年に転入する旨が書いてあって。
夷三郎さんに疑問を呈せば、そっと視線をそらされて「…君の学力が思ったより悪かったからね」と言われたときの僕の心境よ。
「‥‥アレは油断させるための」
「ダウト。というかマジでやばいからね?」
対面するテーブルに出される過去の成績一覧。
「国語、はまぁいいとして数学と社会と理科は壊滅的だよね?」
成績一覧プリントを指先でコンと指さしつつ言うのは自分でも客観視すれば(ヤベぇ)としか言えない点数であって・・・
「じゃぁ、妖怪学校でもって勉強す
「妖怪学校でこれ以上馬鹿を晒すのはNG」
(ぐっ)
だけど僕だって諦められない
『今年こそは試合で一勝しようぜ』なんて笑いながら言ってくれた藤平がいるんだって!
「…じゃあ今からでも頑張れば」
「というか優太。このままここにいても進級できないから」
「は?」
「進級できない。」
「ぱーどぅん?」
「進級不可。飾りじゃないんだよ単位は。当然部活も禁止になるね。あと・・・まぁ君が気に入ってるあの蛇とも離れるし、その上あの子の方がセンパイになるね」
あとあの蛇だったら君に気を使って話しかけることもしなくなるかもね?なんていう夷三郎の声が遠い・・・うん・マジでそうなるでしょうね!
(あぁもう!)
もうしょうがない神様学校に行くしかない、けど
「夷三郎さんも神様学校の先生始めました、になるんですよね?」と言えば
「いや?僕は此処で妖怪達との交流含めてのパイプ役になるからね」なんて宣う目の前の上司。
「は?」
「だからパイプ役だって」
・・・いや、あんた絶対安倍先生から離れたくなかったから手を回したろ?!
絶対絶対に手を回した顔だよな?と数センチ手前になる美顔をにらめば
ソファの背もたれに王者のようにも垂れながらも彼は言った
「あはは。勉強は大事だね」と
(くっそ!!!!)