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    maru464936

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    maru464936

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    pixivで書いてて挫折したやつね、なんか思ったより長くて…1と2は限定解除しといたから適当に支部で見てね。書きかけだよ、3話にして既に10年放置っすわ。シリーズもの完結させられる人尊敬する

    ロリショタ二次の33旅の道連れ

    前回までのあらすじ

    ジョイナスした。ドラゴンズブルーの血を感じた。
    しかし、どうやってあの服でジョイナスするのだろう。
    教えて、高木のおじいちゃん。
    教えてアルムの森監督。


    ※ジョイナス……性器を露出することの意。
    ***旅の道連れ

    さて、こうしてレイヴンとリーゼの当面の目的は「ニコル」を探すことになりま
    した。
    ただ、「ニコル」という人物の詳細は不明。
    簡単な話ではありません。
    お馬鹿なリーゼは知りませんが、人間たちにとって「ニコル」というのは極めて
    ありふれた名前です。
    どれくらいありふれているのかというと、帝国軍にだって「黒髪の人のよさそうな顔をしたニコル」を探せばゆうに1ダースは見つかるでしょう。人が良さそうでなければもっとです。
    故にもうちょっと検索条件を絞り込む必要があります。

    「えっと……私、ずっと暗い所で寝ててね、ニコルが起こしてくれたの」

    なんだその曖昧かつ抽象的な情報は。
    しかし、ここでレイヴンは思い至りました。彼女は「ニンゲン」ではなく「古代ゾイド人」
    なにかこの辺り。彼女の出自にまつわるところに「ニコル」のヒントがあるのではないと。
    流石です!ドンピシャです!さすが独立強襲兵!山田くん座布団三枚!
    そこで、今回の任務を受けるにさしあたって受けた説明を思い返します。
    ほわんほわんほわんヴンヴン〜

    『レイヴン。今回の任務は所属不明機が起こした事件ということに今はしておかなければいけない。
    よって、万一の事を考え、概要説明は口頭で行う』

    まあ、いずれジェノザウラーが量産されれば帝国の仕業とは否が応でもわかることですが。
    そのころにはプロイツェン閣下が皇帝の座について正式に共和国と開戦してい
    はず。
    ただ、今は皇太子の権勢もまだまだ馬鹿に出来ないので慎重にならざるを得ないのだと。
    ハーディン准将は付け加えました。

    『……襲撃地点、および目的は以上だ。質問は?』
    『ありません』
    『……では……そうだ、付け加えておこう。目標の古代ゾイド人だが。6年前にーー』
    『興味ありません。それよりも僕の新機を確認させてください。
    セイバータイガーみたいな役立たずじゃないんでしょう?』
    渾身のドヤ顔。記憶はここで途切れている。

    ……あーあ。折角教えてくれようとしてたのにあーあ。山田くん、全部持ってって!
    しかし、いまさら悔やんでも後の祭りです。いまさらドヤ顔の自分を後ろから
    ひっぱたけるわけではないのです。

    (……使えない女だ)

    おっと、まさかの責任転嫁ですよ!これには准将も苦笑い。
    それならば、人相書きを作って地道にあちこちの街で聞き込み。
    彼女の言う村がどの方向にあるのすらも解りませんが、手持ちの食糧にも限りが
    ある以上ここで止まっていても始まりません。

    もともと持ってた紙とペン、それから子供部屋に残っていた幾つかの色鉛筆で人
    相書きの作成が始まりました。
    当然、ニコルと唯一接点を持っていたリーゼに特徴を聞きこむことになります。
    ですが、歳の割に極端なほど語彙の少ないリーゼには説明が難しかったらしく。
    「ええとね、こんな顔だよ!」
    と、レイヴンの意識に直接イメージを送ってきました。
    今更ながらこの少女がただのアホな子供で無いことを実感しながらペンを走
    らせます。
    短い黒髪、同じ色の目はややたれ気味。どんぐり眼というやつでしょうか。
    ーどこか、この屈托のない笑顔がー
    丸顔で眉毛は太い。鼻はまるく、マーキングは右頬。
    ー少し、誰かに似ているようなー
    これらの特徴を書き込み、できあがったものがこちらになります。

    「……」
    これはひどい。
    「れ、レイヴン。ニコルは確か、鼻は一つだったと思うの……」
    恐る恐る絞り出された指摘に無言で紙をくしゃくしゃと丸め、ペンと一緒にそこらへんに投げ捨てる少年。
    逆切れして暴力に走らないだけマシと言えます。
    その、丸まった紙を拾い上げ、ふん、と、鼻で笑う存在が居りました。
    まだあちこち傷だらけのスペキュラーです。
    あの後、一旦少女の体を清めるため唯一生きてる井戸まで運んだところ、(余談ですが少女に冷水をぶっかけたのが熱を出した原因です)自分の重さで崩れそうな廃墟に入ることができず歯がゆい思いで周りを徘徊し ていた
    スペキュラーとバッティング。
    逆上して襲いかかってきた彼女にシャドーがタックル(今季二度目)大乱闘です。
    一応、「殺すな」とシャドーに命令したので、このようにぼろぼろになる程度で
    済んだのですから感謝してほしいものですが。
    露骨に彼を敵視していることが態度にじみ出ています。

    スペキュラーは三つまたに分かれた手でペンを拾い上げると、器用に紙に描きこ
    んでいきました。
    出来上がった絵は、先ほどリーゼが送ってきたイメージと寸分たがわないものでした。
    絵を描いた、というよりは主人の持っているイメージを出力した、といった方が近いようです。
    「うわあ、すごいすごいスペキュラー!そっくりだよ!」
    「誰でも一つくらいは取り柄があるんだな。弱いゾイドでもプリンタ替わりにはなるのか」
    はしゃぐリーゼを背景に一人と一匹を険悪なオーラが包み込みます。
    「グゥゥゥゥ」
    レイヴンがゾイドの言葉を解さないのは幸運と言えました。なにしろ彼の耳に唸り声としか聞こえないスペキュラーの声は、その実聴くに堪えない罵詈雑言
    だったのですから。

    ***
    とりあえず近くの街を目指します。村ではなく、受付を介さずに済む現金自動預
    け払い機がある程度には栄えている街です。
    脱走したことが知れたら口座も差し押さえられてしまうでしょうからその前に引
    き落とせるだけ引き落としておかないと。
    まあ、プロイツェン達に居場所を教えるようなものですが仕方がありません。
    日干しになるよりはマシということです。
    移動に関しても問題が出てきました。リーゼをどうするのか。本当なら彼女が付いてきたときの様にスペキュラーが腹に入れて運ぶのが彼女にとって一 番負担が少ないのでしょう。
    しかし、今やスペキュラーはシャドーとの戦いの末弱り切っており何とか自分一人でふらふら飛ぶのが精いっぱい。
    なら、ジェノザウラーに乗せるしかありませんね。(シャドーが運ぶのはシャドーが拒否しました)
    でも、膝に乗せるとか流石にごめんです。ちょうどいい事にジェノザウラーのコクピット座席後ろにはとても狭いですがスペースがあります。
    食料などをおいていたそこが暫定的なリーゼの指定席として宛てがわれました。
    さて、つぎの街まで、距離は大したことありません。
    なんたってこのジェノザウラーはレドラーで二日かかる距離をわずか数時間で踏破するのです。
    レイヴンの見立てでは休憩時間を挟むにしても半日足らずで到着する予定でした。
    しかし。
    ごっとん、がたん!ぎいいいい、がたがたがたがた

    「うぷっ⋯⋯」

    正式な座席のない、なんの訓練も受けて居ないリーゼには耐え難く

    「⋯⋯レイヴン、ここで吐いたら怒る⋯⋯」

    不吉な言葉がレイヴンの頭上から降ってきました。
    レイヴンの心がペットボトルの蓋より狭いことは皆さまもよくご存知のこととは思いますが、さすがにそれは誰でも怒る。

    こうして歩みは遅々としたものになりました。
    ー全く、なんて弱い生き物なんだろう。
    背中を丸めて吐き気を鎮めているリーゼの背中を横目に呆れ果てながらやむなく彼女のためにカセットコンロに火を起こし、シャドーに汲ませてきた水を沸かします。
    湯冷ましで水分補給すればすこしマシになるでしょう。
    レイヴンが今までの短い人生の中で見てきた生物の中でリーゼはアリとダンゴムシについで弱い存在と言えました。
    いや、ダンゴムシの方が丸まって身を守れる分遥かにマシかもしれません。
    「グウ、グル、グゥゥゥゥ」
    スペキュラーがなにやら唸っています。
    「あのねレイヴン」
    一生懸命スペキュラーが話しかけてるとでも思ったのか。
    どうにか落ち着いたリーゼがそっと
    「そのだんごむしいかのそんざいにまけてみじめにじめんはいつくばったくせにって、スペキュラーが」
    「グゥッ!!」
    ゾイドの言葉を解さないレイヴンにも今のはわかりました。絶対「やべっ!」って言った。
    「……シャドー」
    スペキュラー全快の日は遠そうです。

    *****





    ・共和国軍のスリーパーに見つかる
    ここは「死の森」「帰らずの森」と言われる野生ゾイドの巣

    「ゾイドが嫌い」というヴンに赤い影が見える。
    「それは、レイヴンのじゃないじゃない」
    なんて、意味のわからないことばを口にした。
    「そのままじゃ、レイヴンが消えちゃうよ?」
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