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    maru464936

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    maru464936

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    ここだけ書きたかったという意欲は感じて欲しい

    ロリショタ二時66つばめのせなか

    (Tomme Lise)

    *おはなのゆりかご

    「わあ、すごいすごい!」
    青い小鳥が跳ねて、愛らしく囀る様を。
    「夢みたい!ほんとうに帰ってきたんだ!」
    少年は、ぽっかりと胸に穴をあけられた気分で見守りました。
    「ありがとう!レイヴン!」
    くるくると少女が踊るたび、翻る白いスカートと空色の髪のコントラストは美しくて。
    これが最後になってしまうのをどこか名残惜しく感じながら少年はつとめて平静を保ちます。
    「……どういたしまして」
    ここは、彼らの目的地、ノーデンス。終着点。
    ひとごろしの少年とひとでなしの少女のへんてこでおかしな旅も、ここでおしまいです。

    風が吹いてまた、髪がふわりと舞って、細い首が露わになって。
    少女の首元に付けた歯型はいまは小さな瘡蓋を残すばかり。
    もう、数日中に消えてしまうでしょう。
    結局のところ、ながく閉じ込められた少女はこれくらいの歳になれば本当なら母親から教わるような知識がなくて。
    自分がどんなに酷いことをされたか何も分かっていないだけです。
    だからこんなに無邪気なままで居られるのです。
    ……いつか、識る時が来ます。
    「ニコル」と暮らす少女はその時、どんな表情をするのでしょうね。
    微かに少年の口角が上がりました。
    覚えておいて欲しい。あの夜の事を。その記憶が少女を苛むものでも。
    いつか遠くない未来に自分がこの世界から消え去っても、少女の記憶の中でいつまでも生きていられるならそう悪くはないと思えたのです。


    *ゆめの終わり

    辺境の、霧深い地の寂しい村です。
    険しい山々に囲まれた土地は見るからに肥沃とは言いがたく。
    岩肌に沿って数十世帯の質素な家々が寄り添うように建っている。
    ガイガロスの絢爛な街並みを見慣れた少年にとっては陰気で貧しい集落としか思えない。
    そんな、場所でした。
    遠目に村人たちが畑を耕しているのが見えます。
    少女は飛んでいけないのがもどかしいとばかりに息を切らしながら走り、その後ろを黒いマントに風を含ませながら緩慢な足取りで少年がついていきます。
    必死で走ってるのに歩いてる僕と大して速度が変わらないなんて本当に愚図だな、なんて少し可笑しく思いながら。




    ・村で怯えられバケモノあつかいされる。女や老人は家にこもる
    リーゼは目に入って無い
    ・ニコルのうちへ。窓は外から板で釘が打ち付けられ塞がれている。
    「ニコル!わたしだよ!開けて!ニコル!ニコル!」
    最初は嬉しげに。だんだん悲痛に
    窓もガラスが割れている。覗ける範囲では人が住んでいる気配はない
    「リーゼ、無駄だ。ここには誰も居ないよ」
    「う、うそ、だってわたし」
    ずっとずっとずっと、ただこのときだけを夢見て生きてきたのに


    ・のねずみのすあな

    男たちが狩りにくる。農耕具で。

    村長は所用?
    「なにしに戻ってきた、バケモノ」「次はおれたちから何を奪うつもりだ」「お前のせいで」「おまえさえいなければ」「悪魔」
    ・石を投げられる。ロリに命中。6年前のことがフラッシュバックし、へたりこむロリ。ヴンが目を見開くといい。頭に当たって少し出血?血気盛んなものがひとり、鍬で襲いかかってくる。いとも簡単にヴンが返り討ちにし、地面に沈む。(腹に強烈な蹴り)
    踏みつけて後頭部に銃を突きつけて「ニコルはどこだ、言え」「まあ、1匹ぐらいつぶしてもいいんだ。こっちは。なんせ代わりはまだまだいっぱい居るからね」悪い顔で
    「ニコル…?何言ってんだ、あの子はそこの悪魔のせいでー!」



    「うそ、うそ、うそ、うそ、うそだもん…」
    「あ、あ、あ、ーーああああああああああああああああ!」

    *もぐらのはなよめ
    遺跡にて。
    現実を知る。
    「みんなみたいに暮らせるって思ってたんだ。わたしはどうしたってみんなとちがうバケモノなのにね」
    「わたしのせいで、ニコルは死んじゃったんだ。わたしのせいで。わたしさえいなければ」
    わたしが、ニコルから何もかも奪ったんだ。
    わたし、ここからでちゃいけなかったんだね。

    ふと、むかし、母さんから読んでもらった花から生まれた女の子の話を思い出した。
    ヒキガエルに拐われてひとりぼっちになったあの子はどうなったのだっけ。
    少女の背中は余りにも小さくて、幼くて、頼りない。
    今、この瞬間、彼女は彼がみてきたあらゆるもののなかで一番孤独な生き物だった

    「ここまでありがとう。元気でね」


    ここに残ると少女は笑う
    ヴンさんはそれを許せないと思う

    だって、いきているだけでニコルを死なせて村を焼いて、みんなを不幸にしてこれが悪魔じゃなくてなんだっていうの。
    きっと、そのうちレイヴンだって、
    僕が、そんなくだらないもので死ぬと思っているのか。
    笑わせる。何が呪いだ。そんなもの。
    ニコルが死んだのは呪いなんかじゃない、ただ弱かっただけさ
    弱いものはただ、奪われるだけ。強いものは弱いものに何をしたって許される。だから奪われないように強くなければいけない。この5年、そうされてきたし、そうしてきた。
    ヴンさんが初めて人を殺した日のことがロリに伝わる。
    嘆いてでもそうしなければ生きられなくて、そんな感情も磨耗していって
    「僕は死なない。強いからだ」

    *モ ン ス タ ー
    PK相手にヴンさんが大暴れする
    悪魔とは
    相対する全ての人間に恐怖と絶望を与えるものでなければならない
    怪物とは
    圧倒的な力で全てを蹂躙するものでなければならない
    躊躇なく鉄を肉を命を噛み砕き切り裂き踏みにじり
    血が滾る、愉しくてたまらない。
    そんな悍ましくも勇ましい称号は絶対的強者の自分にこそふさわしいはずだ

    あんな、あんなー弱くて、小さい、憐れな生き物には
    ー馬鹿馬鹿しい、滑稽にも程がある。


    村を荷電粒子砲で焼こうとするヴン
    その前に両腕を広げてたつロリ
    「どけ」「もういい、もういいよ、おねがい、レイヴン……これ以上は」
    「どけって言ってるだろ!」首を振る。
    「お前をいたぶって、売り渡した連中だ!さっさとどけ!
    あんな奴らに媚びて何になる!もう二度とあんな態度が取れないように思い知らせて…」
    「ごめんなさい、レイヴン……ごめんなさい……」
    「……」
    結局、いきているだけで不幸を撒き散らす呪われた化物で
    「ごめんなさい……」
    こうやってこの瞬間も、あなたにこんなことをさせている
    「ごめんなさい…」
    ほんとうはこんな怪物は、遺跡の地下で空を見ることなく眠って居るべきなのに
    「ごめんなさい…」
    それでもあなたの手に、やさしさに縋ってしまって


    ぽろぽろ泣き出すロリ
    なぜ謝るのかそれを理解するでもなく
    ジェノから降りてくるヴン。
    ロリに手を差し出す。しばらくお互いそのまま。おずおずと、ロリの伸ばしきれない手を握って強く引く。


    だって、誰も教えてくれなかったじゃないですか。女の子の泣き止ませ方なんて。


    *つばめのせなか
    ヴンさんの膝の上、「ごめんなさい、ごめんなさいニコル…」しゃくりあげながら
    思い出した。母さんが読んでくれた絵本の続きを。
    『ツバメはいいました。寒い冬がもうすぐやってきます。ぼくは南の国へと旅立たないといけません。ぼくと一緒に行こう。
    山を越え、暖かい南の国へ、輝かしい陽光の眩しい国へ。
    常夏の、花咲き乱れる国へ。
    ぼくと飛んで行こう。おやゆび姫』



    どこへでも、どこまででも。君を傷つけるものがいない場所へ

    『ーー君は僕の命を救ってくれたのだから。あの暗くて寒い場所で凍え死んでいた僕をーー』
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