子供には、彼女が失った少年の名を付けた。
髪、瞳、頬に現れた金属斑までもが、自分の色。
「君にそっくりだね」
そんな生き物を抱いて、愛おしそうに彼女が微笑う。
『ニコル』
その名を呼ぶときの、慕情と哀切を含んだ、響きが嫌で、
自分の色で上書きして、特別な場所から彼を追い出してしまいたかったのだ。
なんて、矮小で利己的な理由。
彼女がそんな事に気づいてなければいいのだが。

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