烏の子足元で首を不規則に揺らすその姿が、なんだか楽しげで。つい、俯きかけていた気持ちを忘れそうになる。
しょっぱい顔をしながらじっとり、奴ら睨み付けていた友人が頭の隅をよぎった。
せめて体だけでも腑に落ちませんと主張してみせるように僕は一人唇を突き出しながら、大げさにソーセージやパン屑を跳ね散らかす鳩の群れを眺めていた。
全く。これが天性の才能とでも誇るべきなのか、それとも「不運だ」と声をあげて嘆くべきなのか。
気分転換にと公園の空気を吸いながら
胸を膨らませてくれるほど、どでかいソーセージに、チーズとケチャップをたっぷりまとったとっておきの惣菜パンといざご対面、と袋から取り出そうとした途端の事故だった。
どうやらこのパンは、僕の口よりも地べたの方へ先に飛び込みたかったらしい。
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