エンドレス甘やかしループ すり、と星が隣に腰掛けるサンポの胸の辺りに擦り寄ってきた。
「おや、今日はずいぶんと甘えたさんみたいですね?」
くすりと笑われて、星は頭をぐりぐりと押し付けるようにして宣言する。
「そう、今すごく甘えたい気分なの。甘やかして」
「仰せのままに、お得意様」
サンポの器用な指が星の髪を掬い上げ、そのまま中に潜り込んで頭を優しく撫でた。ほのかな体温と甘やかな感触に、星の口元が知らず弛む。
「それで、見返りに僕は何をいただけるので?」
本気でそんな物を要求しているわけではない。単なる言葉遊びだ。星もそれが分かっているから柔らかな雰囲気のままでいる。
「んー……今度サンポが甘えたくなった時は私が甘やかしてあげる、でどう?」
「それはそれは、お釣りを払わなくてはいけなくなりますね」
「そしたらまたこうしてくれればいいよ。で、お釣りのお釣りに私がまた甘やかす」
「一生終わりそうにないですねぇ」
「終わりそうにないねぇ」
じいさんばあさんになっても同じ事をしているところを想像して、二人して笑った。