○○へのお誘い「シドって、ジェットコースター乗ったことある?」
「んあ?」
唐突な質問に、シドはハンバーガーにかぶりつこうとした大口をそのままに素っ頓狂な声を上げた。そんな話してただろうかと、咀嚼しながら思い返すが、すぐに否定する。いや、お互いの仕事上のパートナーの愚痴を言っていたはずだ。
その困惑を知る由もないジョーカーは、もぐもぐ口を動かしているせいでシドはしゃべれないんだなと決めつけて、淡々と話を続ける。
「クイーンがね、」
──そうそう、その話。
話が見えたと安心したのもつかの間、ジョーカーはまた突拍子もないことを言い始めた。
「シドにトルバドゥールに遊びに来てもらったらどうかって」
「は?」
「来てもらうのは悪いけど、さすがに探偵卿のいる屋敷に遊びに行くわけにはいかないだろ?」
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