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    髭泥棒ver.1.8

    エッチなのとか進捗とかをブリブリ載せていくわね!

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    髭泥棒ver.1.8

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    飽きそうなので先回りして載せることにした

    マイクVSシャドウマイク(の導入)雲ひとつない青空の下、太陽に照らされたビルがさながらダイヤモンドのように輝いている。ナインボルトは駆け足で親友のエイティーンボルトの待つ公園へ向かった。
    そのときだ。
    「ぅわっ!」
    背後からどんと突き飛ばされ、ナインボルトは大きく体勢を崩した。小脇に抱えていた自慢のスケボーががらがらと音を立てて転がる。コンクリートに強かに体を打ち付けたナインボルトはヘルメットを被り直し、怒鳴りながら振り返った。
    「イテテ……もう!何すん、……えっ?!」

    座り込んだまま呆然としてしまった。そこに立っていたのがよく見知った人物……いやロボットだったからだ。

    「ケケケケ……」
    「マ、マイク……!?」
    マイクは転がったスケボーに乱暴に足をかけるとナインボルトを見下ろした。
    「コイツハ頂いてイクゼ!」
    「何言って……わっ、ぼ、ぼくのスケボー……待ってよ!!」
    ナインボルトは懸命に追いかけたが、マイクはいなすようにスケボーを乗り回しあっという間に見えなくなってしまった。

    ……………………

    「おい!クライゴア!!出てこい!!」
    「……はぁ……」
    ドンドンとドアを破りかねない勢いで叩きまくる男……ワリオにクライゴアはため息をついた。この頃己の研究だったり頼まれた品物の開発で予定が立て込んでおり忙しいため、居留守でごまかしてやろうと思ったがこのままでは本当にドアを……というか研究所を破壊されかねない。
    「なんだねワリオクン、私は今いそが……うおおっ!?」
    すこーしだけ開けた扉がそのまま開け放たれ、中にズカズカと入ってこられクライゴアは驚いて飛び退いた。ワリオだけなら別にいつもの事だからいちいち気にしないのだが、今日は事情が違う。
    そこに居たのはワリオ……だけではなくアシュリー、レッド、オービュロンにモナ、カットアナ姉妹にドリブル&スピッツ、ジミー、27V、ファイブワット、クリケットとマンティス、ルールー、そしてかわいい孫娘のペニー……ほぼ全ての社員が集合していたからだ。
    「……マイクはどこ。」
    「きちんと見とかなアカンやろ!」
    「なんとかちてよ〜!」
    「ま、まてまて!全員が一度に話すんじゃない!……何があったんだね?とりあえずここではなんだからあがりたまえ。」
    クライゴアが応接室に社員たちを連れていく。皆一様にキョロキョロと辺りを見回しているから設備が気になるのかと思ったが、どうもマイクを探しているらしかった。
    「……で?どうしたんだ。」
    「それが……」
    ナインボルトは今朝スケボーをマイクに取られたことを話した。
    「そのあとオレッちんとこに来て、ゲーム入れとったカバンばとっていったばい!」
    ねー、と顔を付き合わせる27Vの間からレッドが飛び出した。
    「それだけやないで!オレらんとこのカボチャ畑もめちゃめちゃにされてん!」
    アシュリーは無言で頷いた。
    「わてらのタクシーにもラクガキされてもうて、大目玉くらいましたわ!」
    見てみい、とスピッツに差し出された写真を見てみれば、なるほど自慢のタクシーにマイク参上と雑な字でフロントに落書きされており、見るも無惨な有様だ。
    「ボクのアフロにイタズラされちゃってね……」
    言われてハッとジミーのアフロを見てみれば、いつもならキレイに手入れされているアフロに猫の毛がこれでもかとくっついていた。
    「あたちたちがしゅぎょうちてる広場、穴だらけにされちゃってうまくしゅぎょうできなくなっちゃったの……」
    「干してた洗濯物、全部水たまりに落とされちゃったのよね……おかしいわ、普段のマイクちゃんならあんなことしないのに……」
    「マイクサン、ワタシのゆーふぉーニ向けて石投げてキマシタ!おかげでマタ墜落しちゃいマシタ……」
    ヨヨヨ、と大きなサングラスの下から涙を流すオービュロンの背中を擦りながらペニーも嘆いた。
    「私も書類をめちゃめちゃにされてしまって……もう少しで論文が書き上がりそうだったのに〜……」
    「アタイの水鉄砲盗んでったのよアイツ!タダじゃおかないんだから!」
    「……肉まんを横取りされてしもうてのう。」
    マンティスの背後でクリケットが頷いた。心做しか殺気が漏れ出ているような気もする……
    「あたしもあたしも!ドーナツ食い逃げされたの!代金、バイト代から差っ引かれちゃったんだから!」
    「あのヤロー、オレ様が食おうと思ってたケーキもガメてったんだ!見つけたらとっちめてやる!!」

    鼻息荒く捲し立てるワリオたちをどうどうと宥めながらクライゴアは通信機に呼びかけた。
    「……と、言うことなんだがどういうことか、私にも説明してもらえるかな?マイク……」
    「エ?」
    白衣を着たマイクがひょっこり扉から顔を出した瞬間、我先にと飛び出したカンパニーの面々があっという間にマイクをとりかこんだ。
    「わ、ワッ」
    「修繕費、払うてもらわなあきまへんで」
    「…………材料になるのと、実験台になるのと……どっちがいい?選ばせてあげる。」
    元々そう良くはない人相が、ギラリと怒りにつり上がった目つきでことさら悪くなっているドリブル、真っ赤な目をらんらんと光らせるアシュリーにマイクは後退りした。後退りして、そのままにこやかだが目が全然笑ってないクリケットとぶつかり、肩にぽんと手を置かれた。汗腺なんぞついてないはずの鉄の体から冷や汗が出てきそうになる。
    「ま、ま、待ってクダサイ!話ハ聞いてイマシタガ、どれも身ニ覚えガ無いデアリマス!」
    「アタマにマイクつけてて二足歩行で喋るロボットなんてマイクしかいないでしょ!」
    詰め寄るモナにそうだそうだと27Vが同調している。そんなことを言われてもやってないものはやってないのに!
    「くっ、クライゴア!!ジブン、最近ハずっとアンタに付きっきりデ研究ノ手伝いシテマシタヨネェ!?」
    「まあそれは確かにそうなんだが、別に24時間べったり一緒ってワケじゃないからな。」
    すげなく返したクライゴアに今度はマイクが怒鳴りつけた。
    「何が悲シクテたまの休憩時間削ッテしょうもないイタズラしに街マデ飛ンデかなきゃナンネーンダヨ!所内の監視カメラの映像デモ見ればジブンがここ1週間外ニ出てナイことが証明されマっ、イタタタタ!!おっ折レル!折レルッ!!」
    ワリオに膝十字固めをかけられたマイクが悶絶しているのを見ながらジミーは考え込んだ。
    「折ろうとしてるんだよ!ワケのわからねえことをゴチャゴチャ言いやがって!」
    「ワリオ、ちょっと待った!」
    「なんだよ!」
    「……やっぱりおかしいと思わないかい?」
    ジミーのサングラスに青筋を立てたワリオが映る。それどころではないマイクはバンバン床を叩いてギブアップの意を示しているが全然気づいてもらえていない。無視されているのかもしれない。
    「何が!」
    「壊ル〜〜〜」
    ミシミシと音を立てて曲がっては行けない方向に曲げられていく足に半泣きになっていると、ジミーにワリオをひっぺがされた。すんでのところで足が逆パカしたDSみたいになるのは免れたが、まだ神経回路からビリビリと激痛が走る。
    「彼らしくないってコトさ。」
    ファイブワットは乱れた排気を整えているマイクに肩を貸してやりながら、ジミーをふりかえった。
    「そうね……マイクちゃん、真面目な子だものね〜、そもそもマイクちゃんってご飯たべられないんじゃなかったかしら?」
    「あ……」
    「確かに。」
    モナとマンティスは顔を見合せた。だが納得していないワリオはジミーの腕の中でまだバタバタ暴れている。
    「見間違いだってのか!?マイクのソックリさんなんか見たことねえぞ!」
    ジミーの股下をすり抜けるように出てきたカットとアナは、まだぐったりしているマイクを見やった。
    「……もちかちて、そのまたかなんじゃない?」
    「よく考えたら、あたちたちが見たマイクはからだの色がまっくろだったよ……?」
    カットとアナの発言にナインボルトはハッとしてマイクを見つめた。
    「!そういえば、口調も怒ってないのに荒っぽかったかも……!」
    「言われてみれば、マイクはんの字ィはあんな汚くなかったような……」
    皆口々に違和感を表す中、マイクがぼそりと呟いた。

    「……ジブンソックリのロボットヲ作れる人間、ジブンにハ1人しか心当たりガ無いんデスケド……」

    「…………………………」

    「監視カメラの解析が終わったぞ〜い……な、なんだなんだ」
    先程とは一転してワッと社員に取り囲まれたクライゴアは、マイクを盾に隠れようとした。ペニーに呼ばれてすぐマイクの背中から出てきたが。
    「おじいちゃん、マイクみたいなロボットって他にもあるの?」
    「え?いや〜……無いと思うが……作ってたら流石に覚えてると思うぞ!」
    「……信用デキナイナ〜」
    けらけらと笑っているところを人数分の飲み物を持ってきたクリナに刺すように睨みつけられ、思わず視線を逸らす。
    「だとしたら、アノロボットは何者なのデショウ?」
    「まさか、ドッペルゲンガー……!?」
    青ざめるスピッツに横からアシュリーが口を挟んだ。
    「……ドッペルゲンガーは……身体から精神や魂が分裂して出来るものだから、AIのマイクでは起こらないとおもうわ。」
    「そ、そうなんや……」
    「どっぺるだか骨折だか知らねえが、とりあえずソイツをぶっ潰せばいいんだな!?」
    「お、落ち着けYO!まだ本当にニセマイクがいるって決まったわけじゃ……」

    「……あああああああっ!」

    息巻くワリオをジミーが宥めていると、突然クライゴアが大声を出したため驚いてオービュロンは飲みかけのミルクティー……もちろんアイスである……を噴き出した。
    「げほっげほっ、び、びっくりシマシタ……」
    「………………ちょっと……」
    「ア、アワワ……」
    「思い出した!!」
    ……と叫んだかと思うとクライゴアはドタバタと部屋から出ていってしまった。
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