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    10co

    @1000conegi

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    使者ザクサ×巫女ユウユちゃんss

    ザクユウ特殊設定 SS ザクサは度重なる外交に疲れていた。最後の外交の現場となるドラゴンエンパイア帝国の豪奢な建物の一室で気だるそうにソファへもたれる。ただの外交であればよいが、普段プラントゲートの外に出ないがー収めた戦や戦略は数しれず、かつ、端麗な容姿も相まって、注目の的であった。是非ともうちの国家へとヘッドハンティングするもの、はたまた、是非うちの子供と一席どうかというお見合いまで。まだ誰のものにも、世話になるつもりもないザクサはそのような出来事がある度、心の中では唾を吐いた。残るは宴会の席。夕暮れ時のドラゴンエンパイアの空は橙よりも葡萄のような空が大部分をしめてきた。夜になれば体が昼より動きやすくなってくる。「ブラントゲートの使者」として、最後のお勤めを果たさなければならない。ドラゴンエンパイアの地の暑さからくる額の汗を手で拭って、起き上がると扉を叩く音が聞こえた。
    「シロガネさま、席の準備が整いました」
    「ああ、今行きます」
     ゆっくりと立ち上がって、ローブを羽織る。用心深く扉を開け、案内役の龍とともに宴会場へ向かった。
     
     外に開設された宴会場には大きな炎と、それを取り囲むように踊る巫女の姿。ドラゴンエンパイアの伝統行事らしく、それを見ながら酒や食事を楽しむ。龍よ、龍の卵よ、と新たな龍の誕生を望み、誕生を祝う歌なのだと案内役の龍が楽しそうに話していた。あまり食べないし、酒も飲まないシロガネと呼ばれた男ーザクサは周りの話や挨拶もそこそこに、壁にもたれて炎をぼんやりと見ていた。シロガネはザクサの仕事の時の名前だ。ザクサは暗くなった空に炎が爛々と燃え盛る様子を見ていると、だんだん頭がぼうっとしてくる。慣れない地への疲労も感じている。早いところ休もうかと考えていると、足元に小さな影が出来ていた。
    「あの、お水はいかがですか...?」
     そこにいたのは青い髪と大きな紫の瞳をたたえた小さな巫女だった。水入れとグラスを置いた盆を手に立っていた。身をかがめて、水入れを傾けてグラスに水を注ぐ。片手をそえて水の入ったグラスをザクサに差し出す。恐る恐る、という様子にザクサはそっと受け取る。グラスをじいと眺めて、水の表面の匂いを嗅ぐ。毒や異物の匂いはしない。唇を触れさせても痺れたり違和感はない。少しづつ吟味しながら水を飲む。グラス一杯分飲むと、冷えた水が体に染み渡るようだった。
    「おいしい」
    「よかった、暑そうだったから...」
    「もう一杯いいかな」
    「はい!」
     ほっとした表情で先程よりも機敏に水を注いで渡す巫女にザクサは微笑む。巫女はちょこんとザクサの隣に座って、ザクサの様子を伺っていた。炎の周りを取り囲んで踊る巫女たちとほぼ同じ衣装を纏っている巫女。ザクサは不思議に思って問いかける。
    「君は踊らないの?」
    「僕は鈍臭いから...踊る巫女たちは沢山いるので」
    「そう...」
    「ブラントゲートからいらした方ですよね、家の長がはしゃいでいたので...お疲れのところ、ありがとうございます」
     ザクサは頭を傾げて、巫女に再び問いかける。
    「疲れてるように見える?」
    「えっ!えと、ぼんやりとしてらしてましたし...あまり食事を食べていらっしゃらないとさきほど聞きまして、脱水症状になってもいけないと思って...」
    「ありがとう、君の名前を聞いてもいいかな」
    「ユウユです、あの僕も...あなたをなんておよびすれば...」
    「ザクサでいいよ」
    「...じゃあ、ザクサさん」
    「うん」
     ザクサはユウユにこのドラゴンエンパイアのことを聞いた。ユウユも聞かれたことにひとつずつ丁寧に答える。身振り手振りを交えてザクサにとってわかりやすく、かつ、楽しませようと話す様子にザクサは胸が踊った。巫女の衣装についた宝石がユウユが動き、チャリンと鳴る度に口角があがった。ユウユも足を運んだことがない異国、ブラントゲートについてザクサへ聞いた。ザクサが話をする度うんうんと髪の毛をはねさせながら頷き、驚くとこぼれ落ちそうな輝石のような瞳を大きくし、笑うと頬を朱に染めて、ザクサを楽しませた。嘘偽りのないユウユの言葉にここ数日のザクサの乾燥した心は潤っていった。
      ドンドン、と太鼓の音が鳴り、炎の周りで踊っていた巫女たちが礼をする。この宴の終了の合図だった。周りがざわめいてきてユウユの瞳がザクサから逸れる。
    「あ、つい話し込んじゃって......」
    「もう行くの?」
    「はい、片付けがあって」
    「そう...」
    「ザクサさんも、今日はゆっくり休んでくださいね。お話、楽しかったです」
     それでは、と席を立とうとするユウユの手をザクサはそっと握る。ユウユは手とザクサを交互に見る。
    「もっとこの時間が続けばいいのに...」
     握った手にそっと力を込める。するとユウユはえっと、あの、その、と慌てたように言葉を紡ぐ。頬だけがー朱く染まっていく。
    「またいつか、おあいしましょう...!」
     ユウユは必死に言葉を吐き出して、お盆にグラスたちを載せて、お辞儀ひとつして小走りで立ち去った。ユウユの身にまとった宝飾品がしゃらん、しゃらんと鳴る。その音がザクサの耳には大きな太鼓の音よりも響いて残った。

     ザクサは湯浴みをした後、ドラゴンエンパイアの軍師に呼ばれた。軍師は国政を司る一人である。すでに外交としての交流はすませたはずだがーやはりなにかー上手い話や、落とし所がらしいのだろう。挨拶だけでは飽き足らぬ、貪欲な国家だことだとザクサは目の前に差し出された盃を手に取った。
    「数日間であったがーわが国ができることであればできるだけ力添えをしたいと考えている」
    「こちらとて同じだ。無用な争いは避けたい」
    「今回、そちらの技術の手解きや人員の調達、ましてや使者である貴方様まで来ていただいた。いささか、分が悪い。なにかー望みのものがあれば」
     この軍師もやり手だ、とザクサは盃の中の酒を舐めた。ザクサは言葉や態度にこそ出さなかったがー上機嫌で、酒を飲み干し、机に盃を置く。
     そしてあるひとつの要求を出した。
    「ユウユという巫女はいるか?」

     他国の客人を招く部屋ともなれば、外も中も豪奢である。大きな扉の前にユウユはちょこんと立っていた。宴会場の片付けをしているとお仕事でしか会うことがない国の偉い人に呼ばれて、あれよあれよとついて行ったら大きな豪華な建物の前だった。お客様だと聞いていたから身なりは巫女の服のままだったが、そもそも誰なのだろうか。縁もゆかりも無いはずなのに...と考え込んでいたらそのまま大きな扉の前で案内の人は立ち去ってしまう。 
    「どうしよう...」
     残されたユウユはこの扉の向こうにいる人が、自分に用がある人なのだと理解した。おそるおそるノックをするとどうぞ、と声がある。怒っていない、優しい声。どこかで聞いたことがある。誰だろうと思ってそっと入る。広めの部屋の窓側の天蓋付きのベッドに、その人は座っていた。
    「ザクサさん!」
    「ユウユ、また会えたね」
     ユウユは得体の知れない誰かではなくザクサであることに安堵した。扉をしめて、軽やかな足取りでザクサの前に行く。ザクサがこちらにと言うように、手を広げたので、ザクサの隣にユウユは座った。
    「びっくりしちゃいました!」
    「そんなに?」
    「だって誰って聞いてなかったんですもん」
    「あらら、言っておけばよかったね」
    「でもよかった、また会えちゃいました」
     ふふ、と嬉しそうに笑うユウユにザクサは笑みを深める。
    「もっと近くに来て」
    「わ、」
     ザクサはユウユの小さな肩に手をそっと置いて、自身の体に引き寄せた。距離が近づいて、ユウユの肩はザクサの衣服にピッタリ触れる。
    「......いや?」
    「そんなこと!ちょっとびっくりして......」
     顔を真っ赤にして慌てて訂正するユウユに、ザクサは堪らなくなる。ユウユの肩を抱き抱えるようにした手にすこし力を込める。ユウユがザクサの方を向く。
    「かわいい......」
    「そんなこと、」
    「ユウユのことが忘れられなくて、よんでもらったんだ......このままそれっきりなのは悲しいから」
    「ザクサさん......ぼくも、それっきりなのは悲しいと思ってたから...嬉しいです」
     花が咲いたような笑みにザクサは抱きしめずにはいられなかった。鼻と鼻が触れ合うような近さで、ザクサは飴を煮詰めたようたような声でユウユに語りかける。
    「かわいい......どうしてそんなにかわいいの」
    「かわいく、ないです......っ」
    「好きだよ、かわいい......すきだ」
    「あ......、すきって......」
    「どうしてかな、ユウユがこの世で一番愛しく見えてるんだ、不思議だね、今日初めてあったのに」
    「ぼ、ぼくも...ザクサさん、かっこよくて......その、すきです...」
     ユウユはどうやったらザクサの言葉の熱量と同じくらいの言葉で、お返しがしたいと思って考えた。短い時間ではこれが精一杯だった。しかしそれはまさに、ザクサの求めていた言葉そのものであった。
       ザクサはユウユの顎に手を添え、桜色の唇に自分の唇を合わせる。合わせるだけの口付けは、唇、頬、首、額、どこもかしこも止まらない。雄弁な口はこの時ばかりは閉じてー口付けを繰り返していた。
    「ふぁ、ザクサ、さぁん、」
    「...ユウユのぜんぶがほしいな」
    「ぜん、ぶ...」
    「この可愛らしい唇も、瞳もぜんぶ...」
    「ん...♡んう...♡」
    「俺のものにしたい...」
     だめ?と耳もとからは甘い言葉を流し込まれ、唇で愛撫され、空いた手では服の隙間から地肌に触れられ、ユウユは正常な思考でいることは不可能だった。体は熱くなって、触られたところから湯気が出るような感覚になり、頭がぼうっとしてくる。考えたくてもザクサのことしか考えられない。はじめてあったひとなのに......でも、好きといわれて喜ぶ自分がいる。自分の全部をあげてしまったらどうなるんだろう。こわいことかも。でも、それでもいい、このあつさに溺れてみたい。この人に、ぜんぶをあげてしまっても、後悔をしてもいい。ユウユは溺れそうな位の水の水面からようやく顔を出して、息をする。
    「ザクサさんに、ぜんぶ、あげます」
     言葉は最後まで紡がれることはなく。吐息とともに吸い込まれ、寝所のふたつの影が重なり、沈んでいった。
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