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    こなもの。

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    こなもの。

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    クロパパ。クリスマスツリーを眺める二人のお話です。

    ##クリスマス2023
    ##GHS
    ##クロパパ
    ##文章

    2023クリスマス(クロパパ)「ショッピングモールみたいですなぁ?」
    「……そうじゃな」

    ホテルの二階。中庭に面した渡り廊下の手すりには、白い霜が降りている。先程までバーで共に飲んでいたクロックマスターとミイラ父ちゃんは、子ども達が昼間はしゃいでいた中庭の大物を見に、改めてこの廊下に出てきていた。

    中庭の真ん中に飾られたソレは、大きな大きなクリスマスツリーだ。その全長はホテルの二階に匹敵するほどの高さで、昨日タクシーがグレゴリーに言い付けられタイヤと二人、息を切らしながら森から運んだ物らしい。昨晩珍しくバーに来たタクシーが、そうくだを巻いていた。

    今日の昼間、ホテルの女性陣と子どもたちが飾り付けを行なっていて、クロックマスターとミイラ父ちゃんもそれぞれ息子に誘われ、その行事に参加していた。

    昼間中庭から見たクリスマスツリーは下から見るにはあまりに大きすぎて、クロックマスターは何が何やら…と、あまり興味が無かったのだが。二階の渡り廊下ならきっと綺麗に見えますなぁ、と言うミイラ父ちゃんの誘いに乗って来てみれば……その光景に、思わず息を呑んでしまった。

    赤や金に輝く飾りに、ランダムに点灯する電飾の光が映り込み──このいつも薄暗く怪しい空間が、いつもとは別の顔を覗かせていた。こんなにも鮮やかな光を見たのはいつぶりだろうか…と。クロックマスターは凄いな…と口にした。綺麗ですなぁと、ミイラ父ちゃんからも感嘆の声が上がる。煌々と輝くオーナメントに目を奪われて、二人は暫くその光景を眺めていた。

    ──────

    「ハックション…!!」
    「おぉ……大丈夫か?」
    「いやぁ…今日は冷えますなぁ…!」

    ミイラ父ちゃんのクシャミによって静寂が破られ、暫く遠くを眺めて居たクロックマスターは現実へと意識を戻した。そろそろ中に入るか…と、クロックマスターが廊下の扉に手を掛けようとした時、マスターさん、とミイラ父ちゃんに呼び止められる。

    「ん?……どうした?」
    「上を見て下さい…雪ですなぁ」

    通りで寒いワケですなぁ〜と、空を見上げるミイラ父ちゃんは、心なしか嬉しそうに見える。尻尾がパタパタと揺れている辺り、たぶん喜んでいるのだろうとクロックマスターは推測した。

    「クリスマスに雪が降っているのは、なんだか良い気分になれますなぁ…」
    「ホワイトクリスマスか…」

    ホワイトクリスマスの思い出を刻もう。と、現世に居た時は自分の店でも広告を打ったものだ……確か。……そんな気がする。

    「……毎年雪が降ると坊やが、喜んで公園を走り回っていましたなぁ…」

    雪まみれの姿がとても愛らしくて…妻と二人で携帯の待ち受けにしていたんですよ。

    そう、ミイラ父ちゃんは楽しそうに言う。白い吐息が、ミイラ父ちゃんの寒さで赤らんだ頬を撫でて天へと昇る。伏せられたまつ毛に付いた水滴が、瞬きの度にキラキラと揺れて光っていた。

    その光景を目にしたクロックマスターは、一瞬、グラリと眩暈を覚えた。動揺してかぶりを振れば、隣に立つミイラ父ちゃんが、どうしましたぁ?と首を傾げる。

    酔いが回った…と、クロックマスターは呟いた。……嘘は言っていない。先程まであんなに飲んでいたのだから。きっと、そうに違い無い。

    「ハッハッハ!眩しさに酔ってしまいましたかなぁ?」
    「…………あぁ」

    そうかもしれんなぁ…と、クロックマスターは苦笑した。朗らかに笑うミイラ父ちゃんには、きっと今後も敵わない。クロックマスターはそうあることを、静かに願うのだった。


    おわり。
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    こなもの。

    DONE迷界リセット(🚖🎲)
    ※迷界のホテルが火事でリセット、ループする前提のタクルー文章です。
    (※何でもいい人向け)(※自宅設定強め)(※死描写あり)

    我が家のタクルーが仲良くなったキッカケ、かもしれないお話です。
    迷界リセット(🚖🎲)「タクシーさん、どこ行くの??」

    住人達が寝静まる深夜。ホテルの正面扉をソッと開けたタクシーに、後ろから声を掛けてきたのは、頭に大きなルーレット盤を乗せたルーレット小僧だった。
    急に声を掛けられ、タクシーは思わずドキリとしてしまう。別にやましいことをしている訳ではない。ただ、これから──。

    「……ちょっと、風に当たってくるだけですよ」

    ルーレット小僧の真ん丸の黒い瞳が、タクシーをジッと見据えていた。タクシーはその視線から逃れるように、扉の先へ一歩踏み出す。

    生暖かい風が好きだなんて、タクシーさんって変わってるね♪

    そう言いながら、ルーレット小僧はタクシーの足元をついてくる。おいおい、勘弁してくれよ…とタクシーが帽子を取って髪をかき上げると、それを見たルーレット小僧は、ちょっと悪い感じがして、そっちの方がモテそうじゃない?♪と言った。冗談はよしてくれ…と言う様に、タクシーは目深に帽子を被り直す。
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