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    こなもの。

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    こなもの。

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    お題箱より「運動会パロ」の小話です〜!
    二人三脚の組み分けは(司会席)インコ&キンコ、(走者)ガンマン&タクシー、シェフ&フォン、ミイラ父&マスターです。

    ##GHS
    ##文章
    ##GHS運動会2023

    GHS運動会パロ2023司会席(インコ&キンコ)

    「いや〜二人三脚、最初の練習二回にしといて本当良かったわァ〜!」

    良い悲鳴やなぁ〜と、インコは競技が続いているトラックを眺めた。

    インコ楽しそうだなぁ。

    隣でケラケラと笑っているインコに笑みを向けたキンコは、そのまま空に貼り付けられた青を見上げた。皆の妄想によって具現化した運動場には爽やかな風が吹いている。日光に暖められた穏やかな空気が、キンコの睡魔を誘った。

    「あ!コラ!!キンコ!!寝たらアカン!!!!」

    ペチペチと頬を手のひらで打たれて起こされる。あぁ、折角良い天気なのになぁとキンコがボヤけば、だからこそやろ〜!?とインコが食い下がる。

    「こ〜んな運動会日和に寝て過ごすなんて、もったいないやろ!アホ!」

    頬を膨らますインコの声をスルーして。でも、今寝たらきっとスッゴク気持ちがいいんだなぁとキンコが続ける。

    暖かい日差しが、キンコにいつの日かの花畑を思い出させた。

    あの場所はいい匂いだったんだなぁ……。

    心地よい記憶を思い出して、キンコはウットリと瞼を閉じた。
    コラ!寝るな〜!というインコの声を子守唄に、キンコはゆっくり意識を手放した。

    おわり。




    三度目の無理(タクシー&ガンマン)

    「ヒィィィィィィィ!!!!!!」

    悲鳴を上げてしゃがみ込み動かなくなってしまったカクタスガンマンの隣で、タクシーは大きなため息をついた。

    「さっきも言ったけどアレ、スターターピストルですって……」

    俺を狙ってるんだあぁぁァァァと、ソンブレロを深く被って震えているカクタスガンマンに、タクシーの言葉は届いていないようだった。

    いや、別に良いんですけどね……

    タクシーもカクタスガンマンも、この二人三脚に強制参加させられた被害者だ。
    この手のことはお任せあれなルーレット小僧がゲームマスターであり、やる気が無くとも、ゴールするまで終わることは許されていない。

    「俺を狙って、追手が……もう来てるのか…!?に、逃げ、逃げ……」

    つまるところ……この震えるガンマンの背をさすって、落ち着かせるしかないらしい。
    長いゲームになりそうだなぁ……と、タクシーは天を仰いだのだった。

    おわり。




    身長差(シェフ&パブリックフォン)

    と、届かねェ〜〜〜!!

    「……」

    終始無言のシェフの肩に手を伸ばしたものの、その手がシェフの肩にギリギリ届くか届かないかであることにパブリックフォンは絶望した。

    練習など一度もしてない二人三脚が、もうすぐ始まってしまう。

    「シェフ、シェフちょっとだけ、こっち寄ってくんない?」

    パブリックフォンの言葉は虚しく空を切っただけで、シェフは相変わらず無反応だった。

    俺の声、シェフには聴こえない周波数だったりすんの……??

    せめて、せめて怪我だけはしないように……パブリックフォンが、シェフにしがみ付くシュミレーションをしようとした瞬間──無情にもスタートのピストルが鳴り響いてしまった……。

    おわり。




    運動不足に祟り目(クロックマスター&ミイラパパ)

    絵に描いたような晴天の下、少し湿った褐色の土を踏みしめるのは、どんよりと顔に影を落としたクロックマスターだ。

    隣ではパタパタと見慣れた尻尾が揺れてる。辺りをキョロキョロと忙しなく見渡してから、楽しみですなぁと言ったのはミイラ父ちゃんだ。二人の足首は白い紐で結ばれている。

    なんでワシがこんな……

    クロックマスターが落とした肩に、ミイラ父ちゃんは腕を回してそろそろですよぉと息巻いた。

    ──地獄の二人三脚のスタートやでぇ!!

    校庭を模したグラウンドのスピーカーから、インコの威勢の良い声で合図される。

    あぁ、始まってしまう……

    パン!!という破裂音と応援の歓声、悲鳴。
    混濁を極めた二人三脚で、クロックマスターが最初に見たのは固い地面だった。

    「おやぁ~~」

    マスターさん、大丈夫ですかぁ?

    そんな呑気な声が上から降ってくる。

    「そう見えるか……?」
    「ハッハッハ、土まみれですなぁ~」

    大体、右からと言ったのになんで前に進まなかったんじゃ……!!あー……?

    「右から出しましたよぉ?」

    そうじゃな……『誰の』と言ってなかったワシが悪かった……

    何故ワシだけ転んでお前は微動だにしなかったのかなど、聞きたいことは山程あるが……

    聞いても悲しくなるだけだろうと、クロックマスターは止めておくことにする。

    「では次は真ん中の脚から行きますかぁ?」

    そうじゃな……。他の組からも悲鳴が聞こえている辺り、まだ競技は終わっていないらしい。もう少しだけ頑張らなければなるまい。どのみちゴールするまで終わらせてくれないのだ。ゴールにルーレット小僧が待っている限り。

    「では、いっち、に~、おいっち、に~~」

    ミイラ父ちゃんの独特な掛け声に翻弄されながら、二人は何とかゴールを果たした。途中でクロックマスターだけが何度も転んだが……クロックマスターは終わりよければ全てよし……と水に流すことにしたのだった。

    おわり。
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