「恋」を知らない友人へ「そういえば、この間友人と恋っぽい味のケーキを食べたんだ」

たまに時間を見つけては暇潰しにと手伝いに来ていたジオコのバルーンショップで、山積みになり経営が不安になるほどのおざなりになった経理書類を見やすいように仕分けしていたイグルドに紅茶を淹れながらジオコが声をかけてきた。
瑞々しいマスカットのような柔らかな香りはダージリンだろうか、この季節ならオータムナルの季節だ。砂糖やミルクに合うこの季節の紅茶は美味いんだよな…等と呑気に考えながら、目線のみをシルフという種族柄か年齢よりも幼く見える女性の深みのある瞳を見つめた。

「なんやそれ、そんなケーキ売ってるとこあったっけ？」

外食する機会が特になく街の流行りに疎いせいか、そんな可愛らしいコンセプトのケーキなど聞いた事ないと会話に乗っかれば、ジオコは楽しげに話を続けた。

【Lucake】太阳雨观前提示：此文依据 心象风景 背景线衍生
此文为个人志 无法释怀的夏天 的特供篇目


3.5 阴 体感温度30℃
啧，这两天的水南风天气太折磨人了，衣服裤子洗了不干，家里的窗不能打开，就连拖地都不敢让拖把头沾上水（家里还没来得及添置除湿机）。
收拾房间杂物的时候，我翻出了一个巨大的吉他包——那是我上大学的时候，用攒下来的兼职工资买的，我只用了它两年，大学毕业之后就被我收了起来，之后我就不再打开这个吉他包了。
不想看到这把吉他的原因，是因为我察觉到……燃烧得再猛烈的音乐梦，终究抵挡不过现实的风沙，乐队散了，大家就像离开了母体的蒲公英，随风飘向各个方向，再无交集。
已经过去多少年了？粗略算起来，有五六年了吧。
但我没想到的是，Luca，这个朝气满满的大小伙子，竟然也懂音乐——说起这个，我还记得他第一次看到我弹吉他时的反应：他的双眼亮晶晶的，像个亲眼见着自己偶像的粉丝，举手投足间都透露着崇拜和激动。