天国焚き火に薪を焚べながら、俺はじっと燃え盛る火影を見ていた。
「エモいねぇ。カートくん、こういうの好きそう」
「根拠とかあんの」
「ぶー。細かい男は嫌われちゃうよ?」
なんてことをのたまいながら、マックスはふと宙を見上げる。スタンドに弾けた火花は浮かび上がり、やがて、遠い星々の影と重なり合った。
「虫」
「もー、野宿に虫は付き物だって」
ハンモックのような椅子が腰の重みでぐらりと揺れて、心地よい風に晒される。
カートくんはワガママだなぁ、だなんて笑いながら、こいつは羽虫をはじき飛ばしてやった。それから幾分かの時間が過ぎてから、ふと、神妙な顔付きをして、マックスが一つ呟きを残す。
「…ねぇ。死ねたら、俺たちもこうやって燃え尽きんのかな」
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