二度と会えないと思ってた話▽
10代の頃の兄弟の溝は20代を迎え鳴りを潜め和解と言えば良いのか分からないがお互い決着を着ける事が出来た。
そうして凛と俺の間に残ったのはお互いへ向けている火より熱い感情だけだった。
凛も俺もそれを持て余して、それをサッカーで発散できてた頃はまだ良かったがある年凛が怪我をしてからはその熱の発散先に困ってしまったそうだ。
そう思ってたある日凛が松葉杖で俺の家にやって来た。
何しに来た、俺はそう尋ねたと思う。
一緒に居てよ、あいつはそう言った。
しょうがねえな、玄関先で俺はそう返した。
そこからはもう10代の仲の悪さはなんだったんだよという位俺達は一緒にいた。
飯も、風呂も、寝る時も一緒にいたらそういう感情が沸いてそういう関係にもなった。
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