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    Nesule5287

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    Nesule5287

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    今日のヒョンユジ。
    あまりに長くなったので、今日はツリーじゃ無くて、ポイピクで。

    #hjyj
    #현제유진
    #내가키운S급들

    終わりと始まりの一夜ただ1人の家族に拒まれて無くした。
    重く暗い一方的な思案に、ぐるぐると頭の中が熱くなって、最後には冷えて固まった。
    降り始めた雨が、いつの間にか両目から溢れ出した水分を隠してくれたのは丁度良かった。
    フラフラと行き先も曖昧にさまよう姿は、昨今のダンジョンブレイク関連の状勢にかあまり周囲の人間にも不審には思われないようだった。

    もう何でも良かった。

    ただ、頭の中を空っぽにしてくれるのなら。何も考えずにいられるのなら、本当に何でも良かったのだ。

    だからか、「おいで」と伸ばされた腕にしがみつく様にして、手を取った。

    これから何が起きるか何て、泣き過ぎて働かない頭では考えも及ばなくて、でも最悪の事もふと思い付いて、同時に期待もした。

    何もかも、滅茶苦茶に、成れば良い。
    この思考も、身体も、全部。

    そうして、自分自身すら手放した。

    ユジンが回帰して、騎乗獣の飼育に関して、五大ギルドリーダーたちと会合した際だった。
    ソンヒョンジェと初めて対面したハンユジンはしかし、既視感を覚えた。
    いつもメディアで見ていた顔だったからだと思って、その違和感に目を背けていたら、会合の終わりに意味深な目線を向けられた。
    その理由が分からなくて、訝しんでいたが、その後の慌ただしさに忘れてしまっていた。
    その意味を理解したのは、随分あとになってだった。

    ユジンとヒョンジェが出会ってから、しばらく。
    都合の良いアイテム扱いから、パートナーという、ある意味気が抜けない関係性になって、ユジンは困っている事があった。困惑していると言ってもよかった。

    ユジンが困っていること、それはヒョンジェの接触癖だった。

    普段は良い。
    周囲に他に人がいる際は、特に何も無い。
    パーソナルスペースを守った距離で、態度も一応普通ではある。
    だが、2人きりになった途端に、ヒョンジェは矢鱈とユジンに接近して触れてみせるのだ。
    特にユジンが困惑しているのは、その接触が思わせぶりに際どいこと。
    時に、その逞しい片腕に腰を抱かれ、頬や耳朶を指で擦られ、体の線を撫でられる。
    率直に言って、ユジンはヒョンジェに、セクハラ染みたことをされていた。
    もちろん、ユジンは何度も抗議した。
    手酷く、その手を払ったこともある。
    だが、ヒョンジェは毎回笑って、どこ吹く風と受け流すのだ。
    ユジンは、何故、自分がこんな目に会うのか訳が分からなくて、かなりストレスが溜まっていた。
    その所為で、ヒョンジェに対して、辛辣な態度になってしまうのは仕方がないことだった。

    そして今日までも、ヒョンジェからの意味深な接触は続いている。

    その日は、幾つかの歳星傘下ギルドからの騎乗獣を育てる餌、様々な種類の生肉や、牧草や野菜・果物・飼料を買い入れる為の会合だった。
    生憎とユヒョンやイェリムはダンジョンに行っており、ユジンはキムソンハンを護衛に、歳星ギルドのビルを訪れた。
    ユヒョンがいたとしても、ヒョンジェからのパートナーとしての評価を得るため、早々に頼る訳にはいかないのが現状であったが。
    ソクシミョンが用意してくれていた資料のお陰で、そこまで難しい商談ではなかったが、額や量がとんでもない取引に、ユジンは会合後には隠れてホッと息を吐いた。
    成立した取引の内容を、会合後も会議室に残って精査に集中していたユジンは、その接近に気付かなかった。
    「ユジンくん、まだ気になる事でも?」
    座った椅子の後ろから、覆い被さる様にしてユジンを間に両手を机に置いたヒョンジェは、わざわざユジンの耳元に顔を近付けて問い掛ける。
    いつの間にかここまで接近を許し、そんな体勢になっていた事に、ユジンはゾワリと背筋を泡立たせた。
    息を吹き込むように近い距離にいるヒョンジェに、またかと思いながらも、嫌な顔をして振り向けば、やはり面白そうに目を細めるヒョンジェの顔。
    「近いですよ、ヒョンジェさん」
    掌で、笑うヒョンジェの顔を掴んで遠ざけながら、ユジンはいつものアレが始まったと内心、気が沈んだ。
    ヒョンジェからのセクハラ染みた接触は、いつから始まったのかは覚えていないが、もう随分と長く嫌がらせのように続いて久しい。
    ユジンが嫌がろうが笑って続けられるそれは、はっきり言って精神的な負担だし、ユジンの悩みの種だった。
    「何か気になる事があるなら、相談にのるよ。君のパートナーとして」
    伝えられる言葉は、一見ユジンを労っている様に見えて、それに含まれている意味深な意図を図れないほど、ユジンは馬鹿ではない。
    「結構です」
    顔を顰めてユジンが断るのを、ヒョンジェは面白そうに喉を鳴らして笑う。
    だが、体勢はそのままだった。
    薄く緊張して体を固くしているユジンを見ぬ振りをして、ヒョンジェは真上からユジンの顎を撫で、上を向かせて視線を合わせた。
    「ではこの後、一緒に食事でもどうだい?折角の服装だし、このまま帰すのは勿体無い」
    言って、頭にキスされるのを、力の差で抵抗出来ずに、ユジンは目一杯嫌な顔をすることで抗った。
    「お断りします」
    さっさと帰るべきだったと思いながら、ユジンはその誘いをにべもなく拒否した。
    一応、ユジンだって、このヒョンジェからの接触に、薄っすらと身の危険を感じていたりはするのだ。
    妙な誘いはすっぱり断るに限る。
    「いい加減離れて下さい。帰りますから」
    鼻の頭に皺を寄せて不愉快を示すユジンに、ヒョンジェは気にも留めずに微笑んで言う。
    「このまま帰したくはないなあ」
    拘束された喉元をくすぐられ、ゾワゾワする感触を何とか顔に出さない様にしながら、ユジンはヒョンジェに告げる。
    「ふざけた事言ってないで、とっとと離れて。貴方と遊んでる暇はないんですよ」
    「なら、いつなら暇かな?」
    くすくすと喉で笑うヒョンジェは、余裕たっぷりで、いくらユジンが拒否しても暖簾に腕押しだった。
    だからこそユジンはきっぱりした態度を崩さない。
    「予定が詰まってます。残念でしたね」
    半眼でユジンに睨まれて、ヒョンジェは態とらしく眉を下げて見せる。
    「私のパートナーさんは、パートナーの為に時間を取ってはくれないのかい?」
    悲し気な表情はその美貌もあって、普通の人間なら、つい同情してしまいそうな風情だったが、生憎ユジンには通じない。
    「パートナー以前に、貴方と食事するのが御免なんです」
    心底、嫌そうに言ったユジンの言葉は、本音だった。
    この人と一緒に食事なんて、軽口と嫌がらせのせいで、まともに味がしないに決まっていた。
    「酷いな。泣いてしまいそうだ」
    わざとらしい泣き真似までするヒョンジェに呆れながら、ユジンは首筋を何度も行き来するヒョンジェの指を何とか剥がそうと奮闘する。
    「日頃の行いです、さあ手を離して下さい」
    引っ掻くようにしてヒョンジェの手から逃れようとするユジンの動きに、ヒョンジェは最期にユジンの唇を撫でてようやく手を離した。
    「残念。ではまた今度誘うから、気が変わったら連絡が欲しいな」
    パッと両手を上げたヒョンジェに、解放されたユジンはさっさと荷物を纏めて立ち上がる。
    「…次があってたまるか。それじゃあヒョンジェさん、さようなら」
    吐き捨てるように呟いた後、ユジンはヒョンジェから逃げるように会議室から立ち去った。
    これ以上、ヒョンジェの意味のわからない遊びに付き合うのは御免だった。
    その後ろ姿を見詰めるヒョンジェは、また意味深な笑みを浮かべたまま、ユジンが部屋から出て行く見送っていた。

    状況が変わったのは、中国ダンジョンで回帰前のソンヒョンジェと会ってからだ。
    歳星ギルドビルが封鎖される直前に、あのソンヒョンジェに言われた言葉が、ぐるぐるとユジンの頭の中を巡っていた。
    『ハンユジン。お前と私が始めて出会ったのは、それこそ覚醒当初、ダンジョンショックでお前がユヒョンと別れた日だった』
    言われて、ユジンは思い出した。
    8年前の、ユジンにとって、黒歴史とも言える、あの日の出来事を。
    ユヒョンと別れたその日、ユジンは自暴自棄のあまり、その日出会った行きずりの相手と寝た。
    ただ、抱えきれないその感情をズタズタに引き裂く為に、誘われる手を拒まずに、もつれ込む様にホテルに行き、嵐のような一夜を過ごした。

    正直に言って、ユジンは綺麗さっぱり忘れてしまっていた。

    回帰前の出来事は、自覚してしまえば、だいぶ穴が空いた記憶ばかりだったのもあるが、たった一度の事だったし、8年前だなんて昔の事過ぎて忘れていた。
    次の日の朝、ベットサイドに置かれていた名刺も、見ることもせずにそのまま捨てたし。
    思い出して、記憶を繋いで見れば、確かにあれはソンヒョンジェだったのだろう。
    ぶっちゃけ、ずっと泣いてたから顔とかしっかり見てない。だから、覚えてすらいなかったのだ。
    だが、考えて見れば、回帰後のヒョンジェにとっては、たった3年前の出来事だ。
    きっと覚えているに違いない。
    そう気付いて、ユジンは冷や汗が止まらなくなった。
    ヒョンジェのアレはもしや、冗談やからかいではなく、本当にユジンに対する何らかのアピールだった…?
    あの時の事を覚えているのだと言外に伝えていたのだとしたら、ユジンはそれをずっと無視し続けていたことになる。
    じわじわと広がる嫌な予感を、何とか思考の外に吐き出しながら、ユジンは他のメンバーとの合流を急いだ。
    これ以上、このことについて考えるのは、本能が拒否した。

    しかしながら、ユジンはその後、夜に備えて合流したメンバーにいたヒョンジェをまともに見ることが出来なかった。
    視線を避けて、それでも会話を続けながら、ユヒョンやもう1人の自分、イェリムまでをも盾にして目線を逸らし続けた。
    ホテルにて怪我した足を調べられた時には、本当にどうしようかと思った。
    直に触れられると、あの日の事が芋蔓式に思い出されてしまい、ユジンはゾワゾワとした鳥肌を立ててしまっていた。
    そしてその後、ユジンが1人になった隙だった。
    突然、壁に軽く押し付けられ、両の手が逃げ場を塞ぐ様にユジンの両側を遮った。
    所謂、壁ドンの体勢だ。
    相手はもちろん、ソンヒョンジェだった。
    しまったと思った時には遅くて、ユジンはヒョンジェの意味深な視線から逃れる為に、つい目を背けた。
    態とらしいユジンのその態度に、ヒョンジェは笑って、だがその視線を戻す為に、ユジンの顎を掴んで顔を正面に向けさせる。
    「その様子だと、思い出してくれたみたいだね」
    にっこりと笑ったヒョンジェは、けれど目が笑っていなかった。
    ゾワリと嫌な予感に、ユジンは目を彷徨かせて何度か瞬いた。
    「何のことでしょう…?」
    ユジンは一応、しらばっくれてみた。
    だがしかし、ヒョンジェの方が上手だった。
    「ユジンくんがユヒョンと喧嘩別れをしたあの日の際の事だよ」
    確信したヒョンジェの言に、ユジンは何とか表情を変えないようにして、シラを切り続ける。
    「…はあ、まあ色々あったんで、あんまり記憶に無くて」
    頑なに認めようとしないユジンに、ヒョンジェは目を細めた。
    「へえ…、じゃああの日、私に泣きながら縋り付いて一晩中抱かれ続けたのも覚えていないと?」
    とうとう宣告された赤裸々な言葉に、ユジンは呆気に取られて絶句した。
    「あれ程熱い夜をともに過ごしたというのに、ユジンくんに忘れられてしまったのは、実に残念だよ」
    残しておいた連絡先も、捨てられてしまったようだし。
    ヒョンジェの追い詰めるような言葉の数々に、ユジンは一気に顔を赤くする。
    「な、な、あ、あんた何て!この、恥知らず…!」
    羞恥に耳まで顔を赤くするユジンを、ヒョンジェはくつくつと笑った。
    「だって、せっかくユジンくんと再会したのに、ユジンくんは覚えていないし、何だか冷たいし、寂しかったんだよ?」
    拗ねたように言うヒョンジェはけれど、ユジンを逃すまいと、その顎を捕らえ続けている。
    ユジンはとうとう誤魔化し続けられずに、ヒョンジェを睨み付けて言った。
    「アンタなら、俺じゃなくても他にも誘える人間くらい居るでしょう!?そっちに行って下さいよ」
    ヒョンジェとそんな仲になる気は欠片もないユジンは、必死で矛先を逸らそうと、言い募るが、ヒョンジェは楽しそうに笑って告げる。
    「生憎とあの日からユジンくんの事が忘れられなくてね。案外、私は一途なんだ」
    とろりと、誰もが見惚れる様な微笑みを浮かべたヒョンジェは、最終宣告をユジンにする。

    「ねえ、ユジンくん。あの日の続きをしようか」

    3年前のあの日、ヒョンジェは適当な相手を探していた。
    覚醒したてで、ようやく制御出来るようになってきた力を持て余していた中だった。
    それを何かで発散しようとして見つけたのが、雨の中を酷い顔で泣きながら歩くユジンだった。
    暗い目付きで何処ともしれない場所を見て歩くユジンをその相手に選んで見れば、ユジンは一も二もなく頷いて、簡単にヒョンジェに付いてきた。
    そこからはもう、なし崩しだった。
    手近なホテルにもつれ込むようにして連れ込んで、体を暴いた。
    ずっと泣き続けるユジンが、ヒョンジェ自身を見ていないことなど、反応からして明白だったが、その泣いている理由が知りたくて、また一晩で情も湧いたのもあって、連絡先を残した。
    だが、一度も連絡は無いまま、その3年後。
    ユヒョンの兄だという人物の、幼体モンスターを育成する画像の中で、久しぶりにその姿を見つけて、心が浮き足だった。
    そうして、再会してみれば、当の本人はどうもすっかり忘れているようだった。
    少しがっかりしたが、これはこれで面白いと、ユジンを度々突いては揶揄い、時に口説いた。
    その時々の、ユジンの迷惑そうな顔さえ、新鮮で楽しかった。可愛かった。
    そして、今回。何があったのか、突然ユジンは思い出したようだった。
    気まずげに逸らされる視線に、もしやと思って迫ってみれば、予想通りだった。
    中国から帰宅した後、ほとぼりが冷める前に口説きに口説いて、ユジンはようやく観念した。
    ヒョンジェに対して、諦めたともいう。
    今の所、未だ恋人未満の愛人状態だが、ヒョンジェはもう、ユジンを手放すことを考えられなかった。
    人生の輩としてユジンを決めてしまったヒョンジェは、色々と画策する。
    子供も出来た事だし、パートナーという関係を、この際、名実ともに確実なものとしてしまおうと。
    プラチナのリングを用意しながら、ヒョンジェは思う。
    さて、いつ渡したらユジンは一番驚いてくれるだろうかと、喉でくつくつと笑いながら。







    #hjyj
    ヒョンユジで、弟と拗れた当初(それこそ家を出た時)に、泣きながら街をさまよってたユジが、同じく覚醒後の力を持て余してたジェさんとぶつかって出会って、もつれ込む様に身体の関係を持ってしまう回帰前。
    一回だけの関係で、回帰後、ユジがそれを思い出したのは中国ダンジョンで。

    だって8年前の一番、自暴自棄MAXだった時期だったし、そもそも口調も雰囲気も違ったし、で本気で気付かなかった&忘れていたユジと、再会時に忘れられている事に気付いたものの、(面白いから)思い出すまで待ってたジュさん。

    中国のダンジョンで、回帰前のヒョンジェから関係があった事を伝えられてお互いの認識が重なり、ホテル合流時に思い出してることと忘れていないことが発覚し、滅茶苦茶気まずいユジと、楽しくなってきたジェさん。
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