コントローラーの連打音と、画面から響くインクの飛び散る効果音が、リビングに響いていた。
カウチソファの中央に腰を下ろした鳥束零太は、片足を立てて前のめりになり、大きなディスプレイに釘付けになっている。
スクリーンには、鮮やかな色のインクが縦横無尽に飛び交い、四対四のチームバトルが繰り広げられていた。
「よっしゃあっ!今ので三人目落としたっス!」
高揚した声がリビングに響き、鳥束は得意げに笑みを浮かべる。
コントローラーを握る手には力が入りすぎて、指先がわずかに白くなっていた。
額には汗がにじんでいて、湿った前髪が頬に張り付いている。
その隣で空助は、姿勢を崩したまま肘掛けに肘を預け、ディスプレイを横目に眺めていた。
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