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    この前にちょこっと書いたリストカットのやつ。ChatGPTくんには弾かれたし、上手く添削して貰えなかった。ダラダラと書いたから緩急なくてつまらないかも。お兄さんの情緒を再現するのって難しい。

    妄言どうしてこんなことを始めたのか、今はもう思い出せない、そのくらい長い間続けている"これ"は最早私の習慣になっていて、暗い気持ちになったり、辛いことがあると、この行動に走っている。
    自傷行為の一つであるリストカット。それは私にとってストレスのはけ口であり、日常の救いも同然だった。
    今日も上手くいかないことがあった、その罰として剃刀を肌に当てる。自分が傷つけば、許されたような気がするから。
    剃刀を引けば赤い線が薄く伸びて、血がまあるくぷくぷくと浮き上がってくる、最早この赤を見ると安心するところまで来ている、可愛い、この瞬間だけ私だけのブレスレットを着けてるみたいで。
    力に緩急をつけながら、僅かな痛みを楽しんでいた。真っ白になった線がでこぼこしているこの腕は、もう自分がつける傷では大した痛みを得ることは出来なくなっているように思う。
    それが悲しいのか、わけもわからず涙が溢れ出した。
    「う、っ……うぅ……」
    ボロボロ零れる涙を拭うのに必死になっていると、剃刀を持っている手に誰かの手が重ねられた。
    「えっ?」
    突然の他人の感触に驚き顔を上げると、そこにはお兄さんがいた。
    お兄さん…怪異画らくた。最近夜になると私の家に遊びに来ている。お兄さんはいつも私が泣いていても、薬を飲みすぎていても、否定するでもなく、肯定するでもなく、私に気持ち良いをくれる。
    私はそんなお兄さんが大好きだ。その大好きなお兄さんが私の手に手を重ねているこの状況にドキドキしてしまう。
    「人間くん…懲りずに何やってるんですか、全く…」
    そう言ってお兄さんは私の手から剃刀を取り上げた。既に数本の赤い線がある私の腕を見たお兄さんは目を細めた。
    「そんなに痛いことが好きなら、僕がやってあげますよ」
    少し上ずったような声でそう言ったお兄さんは悪い顔をしている。良くないことが起きるとわかっているのに、期待からかお兄さんの手にある剃刀から目が離せない。

    思っていたよりお兄さんは勢いよく剃刀を引いた。
    「う゛……」
    来るとわかっていても痛みで顔が歪む。絶対脂肪まで届いてる、見なくてもわかる…いつもより深い傷だ。自分じゃない誰かなら、手加減が無いから痛みを感じれる。痛い、気持ちい、
    「はは…痛そうですね、人間くん。でも君が望んだんですよ?」
    お兄さんはまだ笑っている。私の傷に、まだ切れたばかりの真っ赤な裂け目に手を伸ばす。
    「ッ…いだい…」
    裂け目にお兄さんの指が入り込んだ。こんなこと普通の人間ならしないのに、怪異だからできるんだ…やっぱり特別なんだと思う。きっと私はもう重症だ。
    「うわー…やっぱり人間の内側ってヌメヌメしてて、ぐにぐにしてて気持ち悪いですね」
    「ぁ、ふ、ふ」
    汚い声を出したくなくて、小さく息を吐く。
    皮膚の下で指が動く感覚が、脳裏に焼き付いていく。
    こんな、こんな感覚、普通に生きてたら味わうことの無い苦痛、それを今お兄さんが私に与えてくれている。その事実に興奮してしまっている自分がいた。
    それでも酷く痛むせいで、吐き気が押し寄せてくる。
    「気持ち悪い…」
    反射的に出てしまった言葉。でもその裏には気持ち良さもある。
    お兄さんは軽蔑するような目をしながら口を開いた。
    「……それ、"君"が言います?」
    お兄さんの指に少し力が入る。さっきよりも強い痛みに視界がグラグラしてくる、頭が茹だったみたいに熱い。どんどん呼吸が浅くなって、は、は、と息を吐く。
    「僕ら怪異にとっては、人間くんの行動の方がよっぽど気持ち悪いと思いますよ…」
    それは、そうかも…でも、そんなことを言われても私はお兄さんが好きで仕方ない。
    「あ、はぁ、は、お兄さん…すき。あたま、あたまおかしくなる…」
    「はは、本当に何されても君は僕のことが好きなんですね…」
    そう、私はどうしようもなくお兄さんが好きだ。好きだから、何をされてもきっと許してしまう、むしろ喜んで受け入れる。
    でも痛みが酷くて、呼吸が上手くできなくて、酸欠でクラクラしてきた。限界が近い。頭が回らない…
    「う゛、へ…ぁ」
    ぐちぐちと粘着質な音が鼓膜をゆさぶって、視界がチカチカ…あ、花火みたい。

    「あー…人間くん?」
    「……」
    「流石にやりすぎちゃったかな…死んでない、ですよね…次は、ちゃんと気持ちいことしてあげるので……その、すみません」
    小さな謝罪だけが部屋に響いた。
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