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    manju_maa

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    manju_maa

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    ※※※そうはならんやろが満載すぎるので何でも許せる人向けです※※※

    サクラ迷宮20階層の探索もそろそろ頃合いかと思われた時。俺達の目の前に、再び時空の歪みが現れた。
    これまでもここに入ってはアーチャーやランサー、キャスターという強敵との戦闘が待っていたわけだが…。
    今回の歪みは今までのものとは少し異質な雰囲気を感じる。
    歪みの所々で時折ノイズが発生し、歪みというよりバグと言った方がしっくり来る。
    身の安全を考えれば無視するに限るのだが――

    「ほう、これまた随分と面白そうな気配がする。…どうする。尻尾を巻いて逃げるか?雑種」

    案の定、ギルガメッシュは乗り気だ。
    しかも、無視するという選択肢を『逃げ』と言って潰しに来ているこの言い方。本当に性格が悪いサーヴァントだ。

    「ここまで来て逃げないよ。…行こう、ギル」
    「フッ、それでこそ我が雑種。さて、此度はどのような相手が待ち構えているか、見ものだな」

    どこか嬉しそうに笑うギルガメッシュと共に、歪みに飛び込む。足を踏み入れた瞬間、俺達を包み込むように歪みが広がっていき――
    目を開けると、洞窟のような場所に俺達は立っていた。

    「…なんか今までと雰囲気が全然違うね。…静かで、不気味だ」
    「ふむ。…どこぞの世界の事象をトレースでもしたか?…まあよい、洞窟というならば奥に通じる道があろう。進むぞ」
    「うん」

    エネミーも何も一切出てこない静かな洞窟内をひたすら歩いていくと、やがてかなり広い空間に出た。
    見たところ奥に続く道はまだあるが、ここが最奥と言われても納得できる広さだった。
    …などと感心しながら足を踏み出そうとするのを、手を伸ばしたギルガメッシュに止められた。

    「…ギル?」
    「―――――ほう」

    ギルガメッシュの視線は前方に向けられていた。…意外にもそれを見る彼の目は驚きと好奇心、そして喜びで溢れていた。
    彼の視線を追って、前を向く。
    その視線の先、広場の中心に小さな人影があった。

    「………!」

    漆黒の鎧に身を包んだ、少し色褪せた金髪の少女。
    赤い模様が描かれた剣を突き立てて、何かを待ち構えるように、…立ち塞がるように彼女は立っていた。
    目を伏せていた少女の、淡黄色の瞳が開かれる。…感情を捨てきったかのような冷淡な視線が、俺達を見上げた。

    「此度は随分と面白い女が迷い込んだものだ。よもや、このような場所で邂逅を果たそうとはな」
    「……何故貴方がここに居る、ギルガメッシュ。貴方は桜が取り込んだはず」

    少女の口から予想外の言葉が出て、思わず身を乗り出す。

    「さ、桜を知っているのか!?」
    「落ち着け、たわけ。あの女が言う『桜』はあのAIではない」
    「じゃ…じゃあ…」
    「まあ、本人ではなくとも奴めのオリジナルである可能性はあるかもしれぬがな」


    ギルガメッシュは俺を下がらせて、改めて少女と向き合う。


    「どの時空から迷い込んできたかは知らぬが、生憎小娘如きに後れを取る我ではないぞ。セイバーのサーヴァント」
    「…………」
    「しかし、太陽の騎士めがあそこまで言うブリテンの王とはどの程度の者かと思えば、このような堕ちた女とはな。
    忠義だなんだと言っておきながら、その仕える王がこれでは流石の我も同情しよう」
    「…太陽…。…ガウェインと会ったのか」
    「ああ、会ったとも。第二の王と契約して随分と楽しそうにしていたぞ?」

    少女はギルガメッシュの言葉に、黙り込む。
    ガウェインが仕えた相手というのは、かのアーサー王というのは周知の事実だが…。
    ギルガメッシュの口ぶりからすると、彼女がそのアーサー王ということなのか…?
    しかし自分が知っているアーサー王伝説で描かれていた騎士王と、目の前に居る彼女が同一人物というには随分と印象が違って見える。

    「…なるほど。どうやら迷い込んだのは私の方のようですね。そこの少年といい、貴方は同じギルガメッシュでも別人のようだ。…ですが、動揺を誘おうとしているのならば無駄です。私はすでに生前からの在り方を捨てた身だ」
    「だとしたらどうする?そのまま元居た世界に還るか?」
    「いいえ。この身が何処に居ようと、目の前に居る相手が誰であれ貴方が桜ではない以上、私と桜の敵でしかない」

    少女――もとい、アーサー王。…セイバーのサーヴァントは、黒い聖剣を構える。

    「ここで倒させてもらうぞ、―—―—もう一人の英雄王!!」
    「…フッ、よかろう。その勝負、受けてたとう」

    ギルガメッシュは組んでいた腕を下ろす。
    どうやら、これまでのように慢心はせずとも相手を見下げる態度で臨んでは勝てない相手だと理解しているのだろう。

    「あの女、恐らく今まで戦ってきたサーヴァントよりも遥かに強い。……だが、お前の采配次第では必ず勝てる。―—気を抜くなよ、マスター」
    「…うん!」

    ギルガメッシュは満足げに笑って、立っていた場所から飛び降りる。
    どの記録にも残らない戦いが――――今、幕を開けた。




    〇 〇




    ギルガメッシュの『王の財宝』から打ち出された数々の武器が雨のように降り注ぐ。
    しかしセイバーは手で払うようにあっさりと宝具でそれを撃ち払う。

    「ちっ…!」

    ギルガメッシュは後退し、ジャンプして自身に向かってくる宝具の余波を避ける。

    ――岸波白野とギルガメッシュの戦いは困難を窮めていた。
    今まで出会ってきたサーヴァントの中でも異質。アーチャーもランサーもキャスターも充分に強い相手だった。
    しかし、ギルガメッシュが言ったようにそれを大きく上回るセイバーに、白野は焦燥感に拳を握りしめる。

    「(あれだけ宝具を連発されたらギルが全く近づけない……どうすれば)」
    「焦るな、落ち着け雑種。お前はとにかくあの女の動向をしっかり見ておけ」
    「ギル、でも…それじゃあ」
    「貴様が勝ち筋を見つけるのだ。それまではあらゆる戦術を使って持ちこたえてやる。その時の奴の動きを全て見て考察に回せ」
    「………」
    「とはいえ、我とて限界はある。…早くしろよ、マスター!」

    ギルガメッシュは広げた手を前に出して、魔力を込めて宝物庫を展開する。
    構えるセイバーの足元に黄金の波紋が広がり、鋭利な武器が地面から突き出される。しかしセイバーはそれをジャンプして回避し、空中で再び宝具を撃ち出した。
    彼女が撃ち出す宝具は威力も範囲も広いが、直線に真っ直ぐ飛んで曲がってくることはない。
    ギルガメッシュは宝具を走りながら、ジャンプして回避する。

    「…ッ!」

    空かさずセイバーの周りを『王の財宝』で囲い、全方面から天の鎖を伸ばして彼女の身体に巻き付ける。

    「…神性を持たない私には、こんなものはただの鎖でしかない──!」

    セイバーは全身から魔力を放出し、自分に巻き付いていた鎖を呆気なく砕き散らす。

    「たわけが、そんなことは百も承知よ!」

    ギルガメッシュはセイバーが魔力放出するための一瞬の隙をついて、宝物庫から取り出したマシンガンタイプの武器の銃口を彼女に押し付け放つ。
    大きな音と衝撃と共に、セイバーの身体は地面に向けて弾き飛ばされる。
    間髪入れずにギルガメッシュは空中でセイバーが落下した場所に目掛けて『王の財宝』から武器を撃ち落とす。

    「なめるな──!」

    セイバーは、それを聖剣で打ち払う。
    宝具が撃たれないその瞬間をギルガメッシュは見逃さない。着地し、そのまま剣を宝物庫から取り出しセイバーに切りかかった。

    「貴方如きの剣で騎士王たる私を切り伏せられると思ったか、英雄王!!」

    しかし、セイバーはその剣を難なく自身の聖剣で受け止める。
    ギルガメッシュとて白兵戦の経験はあるものの、騎士王として戦い続けてきた彼女の剣には到底及ばない。
    火花を飛び散らせながら、両者の剣が交わり合う。押されているのはギルガメッシュの方だった。

    「それにしても『弱すぎる』。こちらの貴方は随分と弱体化していますね、ギルガメッシュ」
    「………フン、それに比べて貴様は随分と頭の悪い戦法を使うなセイバー。馬鹿の一つ覚えの如く宝具を連発しおって。ガウェインでももう少し上手い立ち回りであったぞ」
    「私は私が居た世界の貴方すら取り込んだ聖杯と繋がった少女のサーヴァントとして現界している」
    「…なるほど。つまり魔力が無尽蔵で宝具も撃ち放題。そして石のごとき固さで並の攻撃ではダメージも入らぬ、というわけか。──だが、つまるところ『それだけ』なのだろう?」
    「───── 」

    白野とギルガメッシュが『それ』に気づいたのはほぼ同時だった。
    セイバーの魔力は彼女の世界で顕現している聖杯と繋がっていることで無尽蔵。魔力切れという最たる弱点を気にせず宝具を連発できる。
    そしてそれに加えて防御力も高く硬い。どれもこれもこちらが不利な条件ばかりだ。
    しかし、それが影響しているのかは分からないが、代わりに彼女には俊敏性がなかった。

    「 (多分素早さを武器にしてるサーヴァント相手だったら、その動きについていけないはず。…戦車を相手にしてると思えばいいんだ。だったら)」

    白野は全身に力を込める。

    「ギル、下がってッ!」
    「──ようやく見つけたか、雑種!!」

    セイバーがギルガメッシュの剣を押し切って斬り掛かる。
    しかし白野の指示が一手早く、ギルガメッシュは飛び退けて攻撃を回避した。
    白野は両手を前に広げ、自身の魔力を込める。

    「『move_speed()』!!」

    白野の声が洞窟内に響き渡る。ギルガメッシュがゆっくりと地面に降り立つと同時に姿が消える。
    セイバーは辺りを見渡しその姿を探しながら聖剣を構える。

    「っ!」

    そして上空から降り注ぐ武器の数々に気付いて、セイバーは飛び避ける。
    避けると続くように再び武器の雨が降り注ぎ、絶え間なくセイバーは避け続ける。
    それを三回ほど繰り返して彼女の足が地面に着いたところで、ギルガメッシュは素早く後ろに回り込む。
    その手には大きな斧が――

    「同じ事を────!」

    彼程度の斬撃ならば、己の防御力だけで受け止めれる。
    それを先程の撃ち合いで確信したセイバーは振り上げられたギルガメッシュの斧に篭手を差し出し、防ぐ態勢に入る。

    「『gain_str(32)!!』」

    再び白野の声が響き渡る。
    自身に帯びるマスターからの補助にギルガメッシュは口を釣り上げ、その斧を振り下ろす。
    本来ならば通じないはずだった攻撃。しかしコードキャストにより筋力を大幅に上げられたその攻撃は、

    「な――」

    セイバーの漆黒の鎧を砕き、その腕ごと彼女の身体を大きく斬りつけた。

    「ぐ…っ!」
    「(攻撃が通った…!でも――)ギルッ!!」
    「――!」

    溢れる血を撒き散らしながら、セイバーは聖剣を振るう。
    しかし、ギルガメッシュは迷うことなくそれを交わしていく。その彼らしからぬ素早さに、これまで無表情だったセイバーの表情が僅かに苛立ちに染まる。
    セイバーはギルガメッシュから後退し、距離を取る。

    「(攻撃を読まれている。…あの少年が彼に指示を送っているのか。……だが、甘い)」

    セイバーは腕を下す。
    大きく斬られた傷は徐々に塞がっていき、切断された腕も砕けた鎧ごと元から何もなかったかのように元に戻っていく。
    その光景にギルガメッシュは二ヤリと笑ってみせる。

    「…回復力も桁違いというわけか。悪質極まっているな、女」
    「それでもここまでの傷を負わされたのは貴方が初めてですよ英雄王。…あの少年、なかなか悪くない読みをしている。貴方達が『こちら』に居なくて本当に良かった。――ですが、それならば」

    セイバーは両手で聖剣を握り、構える。
    そして聖剣から自身の身体より数十倍も大きな黒光を発現させる。

    「貴方が動き回る隙間を、マスター共々無くすまで!」
    「っ!…白野ッ!!」
    「分かってる!」

    黒い光の柱を宿した聖剣をセイバーは振り上げ、

    「『約束された…勝利の剣ーーーーッ!!』」
    「………『      !!』」

    極光と共に振り下ろした。
    轟音。そして洞窟全体が揺れる。高威力、広範囲の宝具を撃ち尽くし、セイバーは視界に広がる煙が晴れるのを待つ。
    …やがて、抉れた岩の欠片が地面に落ちる音と共に煙が徐々に晴れていく。
    あれだけの宝具を真っ向から食らえば、英雄王といえども跡形もなく消え去っているはずだった。

    しかし――

    「…ッ!」

    真っすぐ、こちらに向かって飛んでくる剣を一本、振り払う。
    この状況下で、何もない所から剣が飛んでくることなどあり得ない。
    セイバーは睨みつけるように、剣が飛んできた方向を凝視する。

    「………」

    晴れていく煙の中。
    先程と寸分違わぬ姿で立つギルガメッシュがそこに居た。

    「貴様…」
    「どうした。自慢の宝具もそれまでか?セイバー。―—―—ならば」

    ギルガメッシュは背後に手をかざし、宝物庫を展開する。
    そしてそこから乖離剣の柄を掴み、抜き取った。

    「今度はこちらの宝具が貴様を吹き飛ばす番だ」
    「戯言を…!無効化されるならば、あの少年の魔力が尽きるまで撃ち続けるのみ!!」

    ギルガメッシュの乖離剣の三つの円筒がそれぞれに回転し始め、暴風を巻き起こす。
    そしてセイバーの聖剣もまた先程と同様に大きな黒い光を帯び、両者共にその手に持つ剣を振り上げる。
    セイバーが聖剣を振り下ろそうと両手に込める力を強めると同時に、

    「――『shock(128)』!!」
    「…!」

    再び少年の声が響き渡った。
    それを合図に、小石がぶつかった程度のダメージと共に全身が魔力によって縛られる。
    大方先ほど英雄王を強化させた魔術で、今度はこちらにスタンの効果がある魔術でも施したのだろう。
    しかし、この程度の魔術ならば五秒もあれば解除できる。

    「この程度で、封じられると思ったか…!」
    「――『その程度』で充分だ!!」

    白野はセイバーの動きを完全に封じることを目的としていない。それをギルガメッシュはしっかりと理解している。
    一秒でも、彼女が動けない時間ができればそれでいい。
    それだけの時間があれば、先手を打ってギルガメッシュの宝具が放出できるのだから――!

    「『天地乖離す開闢の星』ーーーーーッ!!」
    「『約束された勝利の剣』ーー!!」

    ギルガメッシュが乖離剣を振り下ろし、極光を放出させる。
    間髪入れずに、セイバーも聖剣を振り下ろした。
    しかし、同時ではなかった。同時ではなかった故に、


    「…!」


    同威力であるはずの聖剣の光は、ギルガメッシュの宝具を相殺できなかった。



    〇 〇



    足場すら崩れそうな揺れと暴風と轟音と共に視界が真っ白になる。
    揺れや風が止んで瞑っていた目を開けると、丁度ギルガメッシュとセイバー、二人がそれぞれ反対方向に弾け飛んでいくのが見えた。

    「ギル!」

    自分が居た場所の近くの岩の壁に激突したギルガメッシュに駆け寄る。
    岩の壁に大きなヒビを作り、力なく項垂れているギルガメッシュ。
    黄金の鎧は至る所が砕け散り、かき上がっていた髪も崩れて、下りた前髪の間からは頭から流れた血が見える。
    最悪の結末が頭を過り、俺は必死にその身体を揺する。

    「ギル!ギル、しっかり!ねえ…!」

    何度か揺すったところで、その傷だらけの身体がぴくりと動いた。
    ゆっくりと、俯いていた顔を上げる。疲れきった、覇気のない顔が俺を見上げた。

    「喧しい…聞こえているわ、たわけ…」
    「ギル、大丈夫?!今回復させるから!」
    「不要だ。…余波を食らっただけに過ぎぬ、こんなもの掠り傷だ。それにお前も魔力がほぼ空であろう。
    まだ何があるか分からぬ、底を尽き掛けていても残っているものは温存しておけ」
    「う、うん…」

    余波だけでこれだけボロボロになるのだ。アトラスの悪魔の礼装を使わなかったら、ギルガメッシュの身体は跡形もなく消し飛んでいたことだろう。
    頷く俺を見て、ギルガメッシュは重々しく立ち上がる。
    彼の視線の先には、晴れた煙の先で地面に仰向けで倒れているセイバーの姿があった。

    「あ…」
    「―——―—」

    ギルガメッシュは黙って、セイバーが居る方へと歩いていく。
    その少し後ろについて、俺も付いていく。

    「…………………」

    セイバーもまた、その身体を覆った鎧の大半が砕け散り、傷だらけになっていた。
    よく見れば小さな傷はすでに回復が始まっている。時間はかかるだろうが、全回復して再び立ち上がるのも時間の問題だろう。
    しかし、茫然と虚空を見つめる彼女に戦意は感じなかった。

    「……………。こちらの世界の貴方は、『貴方』のようにマスターに自身の命を託して戦うような男ではなかった。マスターと共闘する、という概念が貴方にもあったのですね」

    『いや…』とセイバーは自身の言葉を否定して、フッと笑う。

    「それだけ、貴方が惹かれるほどの魅力が彼にはあるのでしょう。……だからこそ、貴方達はこうして私に勝利したのだから」
    「そちらの我がどういう在り方で現界しているかは知らぬが、その我では貴様に勝つことは無理であろう。元より我は己の力のみで戦う。このような命がいくらあっても足りぬ戦い方をするのは、此度の現界のみであろうよ」
    「………そうですね。私の知るギルガメッシュとは、そういう男だった」

    セイバーの身体にノイズが走る。
    それに呼応するように、周りの景色もノイズが走り始めた。

    「…少年。…白野、と言いましたか」
    「っ!」

    不意に呼ばれて身体が強張る。
    しかしそんな俺を宥めるように、徐々にノイズが酷くなっていくセイバーは穏やかに微笑む。

    「彼と過ごすのは大変でしょうが、ご武運を。……いつか、貴方と共に戦える時が来る日を、…心待ちにしています」

    セイバーの身体に一際大きいノイズが走り、その身体は元からなかったかのように消え失せた。
    先ほどまでの黒い甲冑に身を包んだ彼女ではなく、青い衣装の上に鋼の甲冑に身を包んだ凛々しい少女騎士の姿が、その大きなノイズの間に一瞬見えた。
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    Replies from the creator

    manju_maa

    DONEタイトル通り。二番煎じに二番煎じを重ねてテンプレを煮詰めたような話。たぶん主明
    ※ペルソナとか異世界とかなんもない本編とは全く関係ない謎時空
    ※明智が架空の病気(※ここ大事)で心臓弱い子
    ※明智ママがガッツリ出てくる。
    ※なんでも許せる人向け
    小学生の病弱吾郎くんと蓮くんが出会う話①この街には小学校の登校路から外れた道を行くと、低めのフェンスに囲まれたかなり大きい家がある。アニメなんかでよく見るお屋敷のそれ。道路も公園も、なんなら住宅も少ないその区域に静かにひっそりとそれは佇んでいた。
    フェンスの内側は芝生が生えた庭があって大きな桜の木が一本生えている。花見し放題だななんて思いながらボーッと眺めていたある日、飛び交う桜の花びらに混じって木の陰に隠れていた屋敷の二階の窓から外を覗く奴が居ることに気づいた。
    チョコレートのような、牛乳をたっぷり入れたココアのような、そんな茶色の髪を風で揺らしながら。夕方近いとはいえまだ太陽が昇っている時間帯にパジャマの上からカーディガンを羽織るという格好で、そいつはずっと外を眺めていた。髪は長いし顔も女の子みたいで、下から見上げるだけじゃ性別は分からない。年齢は多分同い年くらいだと思う。
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    manju_maa

    PROGRESSごろうくん視点。獅童編中盤の全カットした空白の二週間の話の一部とヤルオ討伐後の話。「」ない。
    本当は本編に入れたかったけど時間が足りなくて泣く泣く書くのを止めたけどやっぱり書きたかったから書いたシーン
    来栖暁に育てられたあけちごろうくんの話~番外編③~色んな人の世話になりながら、39度近くまで上がっていた熱は完全に引いた。今は蓮が診せたという医者に言われた通り、静養期間だ。身体が元気なのに学校にも仕事にもなんなら外にも出れないというのは、中学時代の謹慎中の三日間を思い出す。
    熱がある間は昼間は双葉に、夜から朝は蓮が泊まりがけで付きっきりでそばに居たが、熱が引いたことで蓮はひとまずルブランに返した。
    『こうなったのは俺のせいだから』『お前は放っておくとまた無理するから』と色んな理由を述べられて拒否されたが、ならモルガナを監視役として引き続き家に置くからという妥協案を出すと、渋々承諾した。とはいえ昼間は双葉が家に乗り込んできて持参したパソコンをカタカタといじっている。蓮と約束ノートなるものを作って、それのおかげで一人で外出もできるようになったんだと自慢げに話していた。『明智はわたしの恩人だからな!』と満面の笑みを向けられたときは眩暈を起こしかけたが何とか耐えた。
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