人肌中毒接触
「拓海くん、キミに触ってみてもいいかな?」
全ての始まりはこの言葉だった。
蒼月がバグ修正プログラムと洗脳を経て戻ってしばらくして、神妙な表情で近づいてきて何を言いかと思えば今の言葉である。
ちょうどお昼を食べに食堂に向かっていたオレは蒼月に捕まった。
「まあ、別にいいけど……」
そう言って、オレは蒼月に向かって手を差し出した。
後から思えばこの時断るべきだった。
「本当?ありがとう」
蒼月は嬉しそうに笑ってわざわざ手袋を外してオレの手に触れる。
そっと優しく。最初は指先から。指と指の間に蒼の指先が入っていわゆる恋人繋ぎになっていく。そこから形を確かめるように握りる力が変わっていく。優しく、少し強く。肌触りを確かめる様に親指が手の甲を撫でた。
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