観察帰り道、蒼月は今日も自然な動作でスマホをチェックする。
スマホに写されて居るのは澄野の家の玄関である。そこに澄野がドアを開けて入って来た。
それを確認した蒼月は当たり前のように澄野のマンションの隣の部屋に音を立てないよう気をつけて入っていく。
隣の部屋は元々空き部屋だった。
そこの鍵はきっと前の住人が隠して忘れていったのだろう。ガスメーターの上に隠されて居たのを前に蒼月が見つけたのだ。
空き部屋に入った蒼月はスマホの電気を付けた。その電気で照らしながら今度は押入れに入った。
押入れの上にはぽっかりと大人一人分が入れる穴が開いていた。
穴に入った蒼月は下に敷かれた緩衝材を道代わりにして、澄野の部屋の上に向かう。
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