オメガバ高さこネタ帳1 今日は保健委員の当番の日。委員長である伊作と二人で備品整理をしていると急な目眩に見舞われた。燃えるような身体と酷い頭痛で声すらもあげられない。思わずその場にくず折れそうになった時、その背を支える者があった。
「……大丈夫かい? 左近くん」
そう心配そうに声をかけてきたのはタソガレドキ忍者である高坂陣内左衛門であった。
その腕の中に収まった途端体の不調は嘘のように軽くなった。代わりに胸を満たすのは味わったことのない多幸感。夢うつつで高坂を見上げる左近はいつもの気の強さは消え失せまるで少女のように頬を染めている。熱で潤んだその瞳に当てられたのか、普段は冷静な高坂も言葉なく左近を見つめ続けている。
その様子を傍らで見守っていたのは雑渡と伊作だ。不安そうに眉を寄せる伊作とは違い雑渡の目はいたずらっ子のようにキラキラと輝いていた。
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