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    kokumotu0141

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    kokumotu0141

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    ワーカホリック初期刀切国と労りたいが空回り長義と巻き込まれ南泉のギャグになる予定 尻叩き

    本歌様の本歌様による写しのためのもてあた奮闘記with南泉 山姥切長義が顕現して最初に見たのは、他ならぬ己の写しの顔だった。
     布が美しい金糸を覆い、さらにその金糸が野暮ったい長さで瑠璃の瞳を隠している。そのすき間からかろうじて覗く目は険しく、眉間の皺も深い。まるで大いなる何かと相対するため覚悟を決めているような。
     何を感じて、何を考えたか自覚する前に、長義の口がひとりでに動いた。長義ですら何を言うかわからないまま紡がれようとした言葉は、目の前の写しの覇気のある声(クソデカボイス)で遮られた。
    「……これで全員だな!早速だが今から人の身で過ごすための研修をさせてもらう!説明は移動しながらするのでついてきてくれ!」
     えっ?
     その場にいた全員の声がハモる。そこで長義は初めて気づいたが、今顕現したのは自分だけではないらしかった。ざっと十数振りはいそうだ。
     そうこうしているうちに写しはもう踵を返して動き始めている。かなり歩くのが早く、みんなそろって慌てて後を追った。
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    kokumotu0141

    PROGRESS長編シリアスになる予定のプロローグです。確実に完成させるために進捗載せてきます。

    襲撃された本丸に政府の則宗と長義が調査に入る話。
    沈みゆく船がたび プロローグ 二二●●年、●月●日、●●国に本丸を構える●●●●●城(以下当本丸)が、時間遡行軍の襲撃に遭う。
     当本丸は半壊。死者なし。破壊された男士は●振り。負傷した男士は●●振り。資材や小判の一時的援助、複数の任務の免除等、いくつかの援助を決定。詳しくは後述。
     当本丸の調査に、政府所属●●●●●と●●●●●の派遣を決定。
     当本丸では、●●●が●●●●になっている。備考だが、当本丸では●●●●●●●●●●●●●●●――


    +++

    「うはは。まったく、なんだこの長階段は。じじいが上るには厳しいぞ。」
     長い癖のある金糸の髪を揺らしながら、銀と赤の装束に身を包んだ男は笑いながら言った。扇子を扇ぎながら階段を上る彼は汗一つかいていない。数段先を行く銀髪の青年は、そんな様子の男を横目で一瞥した後、何も言わずにまた前を向いて階段を上った。青年の内の青いストールがそよ風に僅かになびく。二人分の革靴が、石畳の地面に着いては離れる音がする。山の奥深く特有の湿った空気により、服は肌に鬱陶しく張り付いていた。木々が太陽光を遮ってはいるが、それだけではどうにもならないような蒸し暑さがしている。本丸へ続く石畳の階段を上り始めてずいぶん経ったが、まだ先は長い。生身の人間であれば本丸に辿り着くだけで一苦労だろう。涼しい顔で上りきるなど――それこそ、名刀の付喪神たる刀剣男士でもなければ、困難だ。
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    PASTさにちょも
    リクエスト企画でかいたもの
    霊力のあれやそれやで獣化してしまったちょもさんが部屋を抜け出してたのでそれを迎えに行く主
    白銀に包まれて


    共寝したはずの山鳥毛がいない。
    審神者は身体を起こして寝ぼけた頭を掻く。シーツはまだ暖かい。
    いつもなら山鳥毛が先に目を覚まし、なにが面白いのか寝顔を見つめる赤い瞳と目が合うはずなのにそれがない。
    「どこいったんだ……?」
    おはよう小鳥、とたおやかな手で撫でられるような声で心穏やかに目覚めることもなければ、背中の引っ掻き傷を見て口元を大きな手で覆って赤面する山鳥毛を見られないのも味気ない。
    「迎えに行くか」
    寝起きのまま部屋を後にする。向かう先は恋刀の身内の部屋だ。
    「おはよう南泉。山鳥毛はいるな」
    「あ、主……」
    自身の部屋の前で障子を背に正座をしている南泉がいた。寝起きなのか寝癖がついたまま、困惑といった表情で審神者を見上げでいた。
    「今は部屋に通せない、にゃ」
    「主たる俺の命でもか」
    うぐっと言葉を詰まらせる南泉にはぁとため息をついて後頭部を掻く。
    「俺が勝手に入るなら問題ないな」
    「え、あっちょ、主!」
    横をすり抜けてすぱんと障子を開け放つと部屋には白銀の翼が蹲っていた。
    「山鳥毛、迎えにきたぞ」
    「……小鳥」
    のそりと翼から顔を覗かせた山鳥毛は髪型を整えて 2059

    Norskskogkatta

    PASTさに(→)←ちょも
    山鳥毛のピアスに目が行く審神者
    最近どうも気になることがある。気になることは突き詰めておきたい性分故か、見入ってしまっていた。
    「どうした、小鳥」
     一文字一家の長であるというこの刀は、顕現したばかりだが近侍としての能力全般に長けており気づけば持ち回りだった近侍の任が固定になった。
     一日の大半を一緒に過ごすようになって、つい目を引かれてしまうようになったのはいつからだったか。特に隠すことでもないので、問いかけに応えることにした。
    「ピアスが気になって」
    「この巣には装飾品を身につけているものは少なくないと思うが」
     言われてみれば確かにと気づく。80振りを越えた本丸内では趣向を凝らした戦装束をまとって顕現される。その中には当然のように現代の装飾品を身につけている刀もいて、大分親しみやすい形でいるのだなと妙に感心した記憶がある。たまにやれ片方落としただの金具が壊れただのというちょっとした騒動が起こることがあるのだが、それはまあおいておく。
     さて、ではなぜ山鳥毛にかぎってやたらと気になるのかと首を傾げていると、ずいと身を乗り出し耳元でささやかれた。
    「小鳥は私のことが気になっているのかな?」
    「あー……?」
    ちょっと 1374

    Norskskogkatta

    MOURNINGさにちょも
    桃を剥いてたべるだけのさにちょも
    厨に行くと珍しい姿があった。
    主が桃を剥いていたのだ。力加減を間違えれば潰れてしまう柔い果実を包むように持って包丁で少しだけ歯を立て慣れた手付きで剥いている。
    あっという間に白くなった桃が切り分けられていく。
    「ほれ口開けろ」
    「あ、ああ頂こう」
    意外な手際の良さに見惚れていると、桃のひとつを差し出される。促されるまま口元に持ってこられた果肉を頬張ると軽く咀嚼しただけでじゅわりと果汁が溢れ出す。
    「んっ!」
    「美味いか」
    溺れそうなほどの果汁を飲み込んでからうなづいて残りの果肉を味わう。甘く香りの濃いそれはとても美味だった。
    「ならよかった。ほら」
    「ん、」
    主も桃を頬張りながらまたひとつ差し出され、そのまま口に迎え入れる。美味い。
    「これが最後だな」
    「もうないのか」
    「一個しか買わなかったからな」
    そう言う主に今更になって本丸の若鳥たちに申し訳なくなってきた。
    「まあ共犯だ」
    「君はまたそう言うものの言い方を……」
    「でもまあ、らしくないこともしてみるもんだな」
    片端だけ口を吊り上げて笑う主に嫌な予感がする。
    「雛鳥に餌やってるみたいで楽しかったぜ」
    「…………わすれてくれ」
    差し 588