七夕「星が川みたいだ」
羅浮の空に広がる天の川に思わず呟いてしまう。
七夕の夜、金人港は柔らかな光に包まれていた。
人々は賑やかだが、どことなく特別な雰囲気に静かに各々特別な夜を過ごしていた。
天灯が空へ昇り、木に吊るされた短冊が風に揺れる。
「なんだこれ」
「その紙に願いを書いて吊るすんだ」
思わず出た言葉に答えるのは同じナナシビトであり密かに想いを寄せる相棒だった。
「丹恒は書かなくていいの?」
と問うが自分はいいと断られ、逆に俺には書くように勧めてきた。
「ん〜俺も別にいいかな〜」
...だって丹恒の目の前で書ける訳じゃないじゃん。
そう思いつつ、星空を見上げる丹恒を横目に願う。
“来年もその先も隣にいて欲しい”