この後美味しく頂かれた《丹恒、今度の週末予定ある?相談したいことがあるんだけど...》
そんなメッセージがなのかか送られてきたのは丹恒が資料室でいつものようにアーカイブを整理していた時のことだった。突然鳴った自身の携帯の画面を確認して丹恒は首を傾げる。別に彼女から相談されることは珍しいことではない。大抵は些細な疑問や悩みで、丹恒が読書の合間に答えられるようなものだったのだが、わざわざメッセージを送ってくるということはあまり他の人には知られたくないのか。ともあれそんな風に頼られて断れるほど薄情でもなかったので了承の意を返すと、すぐさま感謝のスタンプとベロブルグ市内のカフェを指定するメッセージが返信されてきて丹恒は再度作業に戻った。
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