【ケルヴ君と影親班】𝐃𝐞𝐥𝐢𝐠𝐡𝐭 𝐈𝐧 𝐓𝐡𝐞 𝐍𝐢𝐠𝐡𝐭西暦XXXX年 ILY4EVAセレモニー当日――早朝。
恩庄影親はとんでもなく寝起きが悪い。
今日もけたたましいコール音がガンガンと頭を揺らしたところで、ようやく眉間に深く皺を刻みながら目を開けた。
「……なんだ」
呻き声のような唸り声のようなドスの利いた声で電話をとると、向こうからは慌てた様子の職員がILY4EVAを含む多くの人々の異変を伝えた。少しの間……寝起きの頭を叩き起こすインターバルを置いて、影親は枕に突っ伏していた顔を上げた。
「すぐ行く」
見上げた社畜根性である。影親の返答を聞くと職員はビビリ散らしながら「ではお待ちしておりますぅ」と光の速さで電話を切った。
通話終了の画面を睨みつけた影親は、もう一度枕に突っ伏した。
5409