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しまった。初夢まだ見てないのに、宝船の絵、用意するの忘れてた。
「……」
まだ冷たい布団の中でごろりと寝返りを打つ。いや、別に、冷静に考えたら大したことじゃない。そりゃあ確かに物心ついてからというもの欠かしたことはなく、いつもバッチリ枕の下に引いてバッチリ色んな忍者を打ち倒す夢を見てバッチリ目覚めてから一年を始めている。悪夢なんて見たこともないし、そのおかげで去年一年も悪くなかったと思っているが――いや違う、別に夢のせいじゃない。普通に俺がよくやっただけだ。夢見だって別に普段から悪くない。どうせ絵を一枚入れるかどうかだ。気分だけだ。いい夢が見られるに決まっている。支障はない。納得したらよく眠れそうな気がしてきた。よし、寝よう。
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