夫婦──────結婚して、一年が経った。
ウォロがショウと初めて出会ったのは、三年前の春だった。それから一年かけて彼女は英雄になり、ウォロと全てを賭けて戦った。そしてそれから半年、決別したはずのウォロを執念で見つけ出したショウは猛アタックを繰り返し、胃袋を掴み外堀を埋め……とにかくあの手この手でウォロがどこにも行かないよう策を練った。そうまでして自分を手に入れたがる、歳下の少女。どこまでも真っ直ぐでウォロを包み込む穏やかな愛に、氷のように冷えきったウォロの心はどんどん溶けていった。────そして、半年ぶりの再会から三ヶ月もしないうちに、ショウの初恋は見事実ったのである。
そこからはもう急展開である。未来から来たショウは三年経った今でもあまり慣れないのだが、ヒスイの時代では結婚適齢期がかなり早い。女性は十五〜十八で結婚するのが当たり前で、また本来この時代はお見合いでの結婚……つまり親の政治的経済的な思惑のあるものが多い。ウォロとショウのような恋愛結婚───に分類されるだろうか、されて欲しい───は珍しい。
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