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    kirayuya_hs

    @kirayuya_hs
    ハッピーエンド大好物。左右固定、カプキャラの組み合わせも固定のガチガチ固定派。

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    kirayuya_hs

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    ずっと前に本にした漫画の原型SS。
    文化祭の合コン喫茶で女子側に座った主人公と、陽介のなんやかんや。
    某所に置いてたのをここにも持ってきました。
    自宅主。


    [名前]
    高階 遥(たかしな はるか)

    [性格]
    のんびりまったりめ。
    理性的かつそこそこ慎重派。ところによりそこはかとなく豪胆。
    微天然。見守り型おかん寄り。

    #花主
    flowerOwner

    合コン喫茶で女子を演じた結果親友と軽くケンカする事になった話。 合コン喫茶で女子側に座る事になった。「この中で彼氏にするなら誰?」と訊かれ、気心知れているし実際にいい男だと分かっている陽介の名前を挙げた。ひどく驚かれ嫌がられ、でもまあ俺が頼り甲斐のあるいい男だってのは分かるけどな! みたいなドヤ顔の反応をされ、何だか釈然としない気分になった。

     合コン喫茶のサクラは完全に失敗だった。今振り返れば、女子の数が足りないからって、男がそこに座らなくたって良かったのだ。余った男は、「残念フラれてしまいました」で構わなかった筈だ。だって、この企画自体がお遊びだ。真剣に交際相手を探すお見合い企画じゃない。100%カップルを成立させなければいけない企画じゃない。男女がちょっと突っ込んだ話をしてドキドキして楽しんであわよくば新カップル誕生! 程度の企画だった筈だ。ギャグで構わなかった筈なのだ。
     そういう場で、それでもそれなりに使命を果たそうとした俺に対し、陽介のあのノリの悪さはあんまりな仕打ちだったと思う。あの強烈な否定の態度はあまりにも酷かったと思う。お断りするにも、女子を演じた俺に報いて、女子に恥をかかせない気遣いに溢れた態度を取ってくれたら良かったんじゃないのかと思う。大体、質問に答えただけのものをまるで「付き合いたいという意思表示」みたいに扱われたのも、告白した訳でもないのにフラれた格好になったのもいまいち納得出来ない。釈然としない。

     釈然としないまま特捜隊以外の友人達と誘われるがままに色んな展示を見て回っていた俺は、手芸部の展示のある教室前を完二がうろうろしているのを発見し声を掛けた。
     躊躇う彼の背中を押すようにして一緒に手芸部の教室へと入ると、たくさんの作品が展示してあり、完二がそわそわとしながらも表情を輝かせたのが分かった。
     興奮気味ながらも淀みのない口調で、あのレースはこういう道具でどんな風に編んで、とか、あっちのあみぐるみはここから編み始めて、とか、完二がいろいろ解説してくれるのがなかなか楽しい。俺はずっと針と糸での裁縫や毛糸の編み物ばかりを手芸だと思っていたから、ビーズのアクセサリーやストラップなどが並べてあるのを見て、それも手芸品なのかと感心しきりだったし、自然素材からの染料の作り方や染めの手法種類を調べたレポートと、実際に自分達で染めたらしい布が綺麗に飾られているのを見るのも感動だった。レポートの最後に「協力、巽屋様。ありがとうございました!」と、店の写真と優しく笑う完二のお母さんの写真が貼られていたのがなんだかとても素晴らしい事のように感じられ、嬉しい気持ちで完二を肘でつつくと、彼もやっぱり嬉しかったみたいで、ウッスと照れ臭そうに笑ったのだった。

     販売されていたレース編みのコースターを購入して教室を出た俺は、満足そうな顔をして横を歩く完二を見て、つい「完二って言えば良かった」と、合コン喫茶で残ったもやっとした気持ちをこぼした。
    「あ? 何がっスか?」
    「彼氏にしたいのは誰かって」
    「は!? あ、ああ、合コン喫茶のアレっスか」
     一瞬驚いた完二だったが、すぐに原因に思い至ってくれたらしく、気の抜けたような顔をして頭を掻いた。
    「完二がいい男なのだって間違いないからな。一見不良っぽいだけで、真面目だし、親切だし、家族思いだし。照れるとすぐ怒鳴るけど、それも分かってくればギャップ萌えのうちだし」
    「なっあ、なっ」
    「付き合ったらずっと大事にしてくれそうだし、今も色々教えてくれて楽しかったから、完二と付き合うのいいなと思った。完二って言えば良かった」
    「あんた、からかうなよ!」
    「からかってない」
     本気でそう思っているのにからかうなと怒鳴られるのは心外だ。むっとして睨むと、うぐぐと狼狽えて、完二はまた頭を掻いた。
    「あの時は僅差で陽介と思ったけど、完二とのデートは楽しいと分かった今だと、完二の方がいいなと思う」
    「やめてくださいよ先輩。俺あんたのこと尊敬してるんで、なんつーか、誉められっとマジで嬉しいっつーか、照れるっつーか、なんかムズムズするんスよ」
     俺の主張に居心地悪そうに唇を尖らせる完二の頬は赤い。誉められ慣れていない彼の様子が微笑ましくて、俺はちょっとほっこりとした気分になった。
    「完二はそんな風に、俺の評価を素直に受け止めてくれるからいい。俺も嬉しい」
    「ウッス」
     笑って話しているうちに、軽食販売のテントが並ぶ屋外模擬店エリアに出た。そこで一人ぼんやりとしていた尚紀を見つけ、三人で少し話をし、明日の女装コンテストの話題でひとしきり笑ってから、俺はたこ焼きとフランクフルトを買って二人と別れた。軽食を手に次に目指すは、最早ただの休憩所と成り果てているであろう二年二組の教室だ。あちこち歩き回ったので、食べる時くらいは座りたいと思ったのだ。

     騒がしい廊下を抜け教室へたどり着くと、数人の生徒がやはり軽食を持ち込み、友人同士好き勝手な席に座って賑やかに喋っていた。案の定の休憩所化。
     そういう教室の窓際で、一人外を眺めていたのが陽介だった。合コン喫茶のあの後、俺は一条と長瀬に誘われて教室を出たが、彼はどこかに出掛けたりはしなかったんだろうか。行って戻ってきたところだろうか。
    「陽介」
     背中に声を掛けると、彼は大袈裟にびくついて振り返り、そして不機嫌そうに眉をしかめた。
    (何だその顔は)
     そんな表情を向けられる覚えなどなかったから、俺もついつい睨むような目になる。と、途端に彼は狼狽えて、誤魔化すようにまた窓の外に視線を投げたのだった。
    「……何か食べたのか」
    「……食ってねーけど」
     気まずいような空気が嫌で、当たり障りのない話題を選び話し掛けたのだが、そっぽを向いたまま腹を立てているようなそっけない返事をされて、なんだか急に何もかもがどうでもいい、投げやりな気分になった俺だった。
     俺は陽介の前にたこ焼きのパックを置き、「やる」とだけ言って踵を返した。食事場所を、教室から屋上へ変更する事にしたのだ。屋上に行けば座る場所もあるだろう。不機嫌な陽介と無理して一緒にいるのも面倒臭い。俺に対してこういう態度を取るという事はつまり俺に対して思う事があるのだろうが、こちらには心当たりはないし、わざわざ尋ねるのも今は億劫だった。
    「おい、どこ行くんだよ」
     来たばかりで再び教室を出ようとした俺の行動が意外だったのか、陽介が少し焦ったような声を上げた。
    「屋上」
    「な、なんで」
    「お前が不機嫌そうだからそっとしておこうと思って」
    「ま、ちょっ、だってお前」
    「じゃあな」
    「待てって! 俺も行く!」
     言うと、陽介は椅子をガタガタうるさく鳴らして立ち上がり、俺が置いたたこ焼きを持って駆け寄ってきた。
     一緒に来ると言うのを拒否すると後々拗れるのだろうなと思ったから、俺は彼がついてくる事に何も言わなかった。
     彼も、何も言わなかった。

     屋上に人はいなかった。俺の予想以上にみんな展示や模擬店を満喫しているよう。フェンス越しに敷地を見下ろせば、さっき自分が買い物をした辺りに大勢が集まっているのが見えた。
    「……あちこち見てきたのかよ」
     むっすりとした声に尋ねられたそれに、俺は人の群れから目を逸らさぬまま、まあなと静かに答えた。
    「菜々子への土産に手芸部で買い物して来たりした」
    「完二とだろ。楽しくて良かったな」
     その言葉に少し驚いて、俺はそこでやっと陽介に視線を向けた。何分か振りに見た彼の顔は、やっぱり不機嫌そうな表情を浮かべていた。
    「よく完二と一緒だって分かったな」
    「見かけたから」
    「なんだ。声掛けてくれたら良かったのに」
     どうせなら三人で回りたかったと本当に思ってそう言ったのだが、陽介があからさまに表情を歪め、「楽しいデートの邪魔になるだろ」だなんて言い出して、俺はぽかんとしてしまったのだった。
    「俺がいいって言ったくせに。浮気者」
    「は?」
    「やっぱり完二の方がいいとか、そんな事言われてるとこに出て行ける訳ねぇだろ。俺惨めじゃん」
     言い募る陽介は、自分の発言に傷付いたように唇をぎゅうっと引き結んだ。
     不満そうな顔、不服そうな口振り。
     彼の言い分から察するに、つまり、合コン喫茶では自分を彼氏にと選んだ俺が、いくらも経たないうちに別の男に「お前の方がいい」と言っているのを目撃して、それが不実だと、気に入らないと怒っているという事だろうか。あのちぐはぐとしたコメディめいた場面で「やめろ」と全力で嫌がられフラれた俺は、不本意にもフラれた立場にされただけでなく、この上、浮気者だと罵られている訳か。
    「ふっ」
     馬鹿馬鹿しくて、思わず笑いが漏れた。笑ったのがまた気に入らなかったらしい陽介が睨み付けてきたが、それにさえも呆れてしまい、ますます笑いが込み上げてくる。多分今、泰然自若だのおっとりだのと評されがちの普段の俺らしくない、ちょっと嫌な感じの顔になっている。酷い顔をしている自覚がある。――自覚はあるが、コントロールしようという気持ちにはならなかった。俺にだって、言い掛かりを不服だと受け取る真っ当な感性くらいあるのだ。
    「なんで浮気だ。付き合ってる訳じゃないのに」
     不当な言い掛かりに強い反発をきっぱり示すと、陽介もまた眉をきりりと吊り上げた。
    「だって、お前彼氏にするなら俺だって言ったのに、やっぱ完二がいいとかあっさり……」
    「フラれたのにいつまでも好きでいろと?」
     不満げな陽介の言葉に冷めた口調でそう返すと、彼は途端にキョトキョトと落ち着きなく視線を揺らし、狼狽して顔を赤らめた。
    「フ、フってなんか」
    「あれだけ盛大に嫌がっておいて? それはあまりにも虫が良すぎるぞ陽介。精一杯、空気を壊さないようにと質問に答えた俺の誠意を見事に粉微塵にしたくせに、今さら何を言うつもりだ? 大体、女子役だった俺が三人の中から誰かの名前を挙げるのはあのシーンでは当然だった筈だし、お前はそういう役割を理解して、盛り上げようと協力してくれても良かった筈だ。なのにそういう配慮もしてくれずに徹底的に拒否して、あげくに恋人でもない俺に向かって浮気者呼ばわりとか、正直意味が分からない」
    「……」
    「俺はお前が誠実で一途な男なのを知ってる。だから、女の子にとって陽介はきっといい彼氏になるだろうと思った。だからお前の名前を挙げた。なのになんであんなに嫌がられなきゃいけなかったんだ? 俺が実はお前に気があって、秘めた恋の告白のつもりで選んだとでも思ったのか?」
    「そ、う、いう訳じゃ」
    「なら俺に向けてるその不機嫌さは筋違いのものだよな。俺達の関係上、浮気自体が発生しないんだから、そんな言葉で責められても困る。仮に、完二を相棒にすると俺が言ったなら、浮気と言われても当然だろうけどな」
     言い放つと、陽介は肩を震わせて目を見開いた。
    「たか、しな」
    「でも俺の相棒はお前だ。お前だけ。どこまでも対等でいられるのは陽介だけだから、俺の相棒はずっとお前だよ」
     そこまで言って、ようやく気分が晴れた俺は、親友に向けた顔に、ほんの少しだけ笑みを乗せた。
     陽介はまだ目を大きく見開いていた。多分、つい何秒か前とは違う理由で。

     俺はきっと、合コン喫茶での陽介の態度に、自分でも気付かずに傷付いていたのだろう。寄せた好意と信頼を無下にされたようで悲しかった。その悲しさが、気分をもやもやとさせていた。
     ささくれていた気持ちを原因となった本人に向かってあらかたぶつけると、すうっと気分が軽くなった。軽くなった分少しだけ余裕が生まれて、「相棒はお前だ」と、きっと一番大切な部分をフォローすることが出来た。それを良かったと思う。相棒たり得るのはお前だけだと言う事ができて、本当に良かったと。
     しばらくの沈黙の後、陽介が深々と頭を下げ、「ごめん」と謝った。
    「勝手に怒ってすまなかった。あと、俺の態度で気分悪くさせてたの、ごめん」
    「いい。俺もキツい言い方してごめん」
     謝りあうと、互いの間に横たわっていた憤りやわだかまりが、春の雪のようにあっさりと溶けてなくなったのを感じた。
     陽介が改めて隣に立つ。近い距離になんだかほっとして表情を緩ませると、彼もまた、優しく笑って返してくれた。実にくだらないケンカだったけど、ちゃんと仲直り出来たし、これも何年か後にはいい思い出になるのかも知れない。

     フェンスを背に並んで座ると、陽介が少し言い辛そうにしながら口を開いた。
    「言い訳になるけどさ、俺、あん時すげぇ嬉しかったんだよ。お前に選ばれて」
    「今さら嘘をつくな」
    「嘘じゃなくて。お前が女役なりの返事してるんだって事が吹っ飛ぶくらい嬉しくて、だからこそ全然流せなくて動揺して、照れ臭くてどうしようもなくて、それ隠そうとしてああいう態度になっちゃった訳」
    「嘘つくな」
    「だから嘘じゃねえってば」
     むっと唇をへの字にした陽介がしつこく主張するのを、俺はふーんと受け流す。可愛い女の子大好きな陽介が、俺に選ばれたのを照れるほど嬉しがるなんて到底信じられないからだ。陽介に対して機嫌を損ねるということが今までなかったから、それに驚いて媚びているのだなとさえ思った。
    「信じてねぇな!? お前とのデートをあの一瞬でシミュレートまでしたくらい舞い上がったっての!」
    「デートなんて言ったところで結局一緒に遊びに行く程度の事だろう。いつもと何が違うんだ」
     冷静に突っ込んでやると、彼はぐっと押し黙った。その反応に、そら見ろと思い一瞥をくれたのだが、視線の先の陽介は、こちらがびっくりするほどに真っ赤になって俯いていた。
    「……おい」
    「……はい」
    「……シミュレーションの中で俺達はどうなったんだ」
    「……相棒が楽しそうだった」
    「あとは」
    「……人目を盗んで手ぇ繋ぐのってイイなと思った」
    「他には」
    「……」
    「以上か」
    「……別れ際の相棒のキス待ち顔が超色っぽくて可愛くて、現実の俺を暴言吐くほどに動揺させました……」
    「……お前二度と完二の事ホモネタでからかうなよ」
    「はい……」
    「まったく……」
     案外ちゃんと付き合ってる者同士のデート風景を想像したらしい陽介。その上で気持ち悪がるのではなく赤くなって恥ずかしそうに身を縮めているのだから、合コン喫茶で完全拒否に遭ったのは一体何だったのかと思わざるを得ない。お互いまるっきり傷付き損じゃないか。
     俺は溜め息を一つ落とし、陽介の手にあるパックからたこ焼きを一粒取ると、あーんと言いながら彼の口元に運んでやった。不思議そうな顔をしながらも口を開いた陽介は、すっかりぬるくなってしまったそれをぱくりと食べ、もぐもぐごっくんと、ろくに噛みもせずに飲み込んだ。
    「なに?」
    「嫉妬深い陽介のご機嫌取り」
     言うと、陽介はまたぱっと頬を赤らめ、心配そうに眉を下げた。
    「あ、えっと、し、嫉妬深いの、駄目か?」
    「俺はまあまあ平気だけど、あんまり度を越すと女の子は怖がるんじゃないか」
    「あ、なんだ。お前が大丈夫ならいいじゃん! 良かった!」
    「待て。良くない」
     何故俺を基準にした。そう問うたが、陽介はにこにこ笑って「いーからいーから」と言うばかりで話にならない。
    「なあ、たこ焼きもっとちょーだい」
    「自分で食べろ」
    「あーんてしてもらうのに価値があんだろ」
    「陽介はロマンチストだよな……」
     ベタなシチュエーションが好きな男に半ば呆れながら、俺は仕方なく二粒目のたこ焼きに楊枝をぷすりと刺し、あーんしてやった。陽介は口元に運ばれるそれを嬉しそうに食べているが、俺は男で、そいつがあーんと差し出すたこ焼きに付加価値などないという事に、早く気付いて欲しいと思う。
    「……鳥の雛に餌やってる気分だ……」
     思わずぼやくと、陽介から盛大に、ええ!? 彼氏じゃねーのかよ! と不服そうな声が上がった。
    「何が彼氏だ。合コン喫茶はとっくに終わっているし、そもそもカップル成立してないだろうが」
    「照れ隠しだったって言っただろ!」
    「聞いたけど。聞いたのはそれだけで、俺を選ぶと言われた訳じゃないからな。知らん」
    「おまっ、ひっでぇ!」
     酷いのはよっぽどお前の方だと思いながら、俺は三粒目のたこ焼きを、彼氏カッコ仮の口に突っ込んだ。
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    文化祭の合コン喫茶で女子側に座った主人公と、陽介のなんやかんや。
    某所に置いてたのをここにも持ってきました。
    自宅主。


    [名前]
    高階 遥(たかしな はるか)

    [性格]
    のんびりまったりめ。
    理性的かつそこそこ慎重派。ところによりそこはかとなく豪胆。
    微天然。見守り型おかん寄り。
    合コン喫茶で女子を演じた結果親友と軽くケンカする事になった話。 合コン喫茶で女子側に座る事になった。「この中で彼氏にするなら誰?」と訊かれ、気心知れているし実際にいい男だと分かっている陽介の名前を挙げた。ひどく驚かれ嫌がられ、でもまあ俺が頼り甲斐のあるいい男だってのは分かるけどな! みたいなドヤ顔の反応をされ、何だか釈然としない気分になった。

     合コン喫茶のサクラは完全に失敗だった。今振り返れば、女子の数が足りないからって、男がそこに座らなくたって良かったのだ。余った男は、「残念フラれてしまいました」で構わなかった筈だ。だって、この企画自体がお遊びだ。真剣に交際相手を探すお見合い企画じゃない。100%カップルを成立させなければいけない企画じゃない。男女がちょっと突っ込んだ話をしてドキドキして楽しんであわよくば新カップル誕生! 程度の企画だった筈だ。ギャグで構わなかった筈なのだ。
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